異種族の国の中枢神経【実況者】三 (ページ23)

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第119話　悪夢の花園26　天邪鬼の空間ページ23

ﾕｳｷ「予想的中...シャオくんが最後...ｸｯｿ」

悪態をついたところで、ここはチーノくんの意識世界

何故わかるか、否

景色が廃れた和風な村だから

天邪鬼って確かそういうところの伝承にある鬼だし

地面に生える雑草は枯れ

村の柵や建物には蜘蛛の巣が張って

水路の水は申し訳程度しか流れていない

ただ一つ不思議なのは村の中央の木と建物だけ一切風化していないことだ

さてチーノくんを探すか、と思い立ったその時

村の門が開けられる音がし、振り返ると

いかにも村人って感じの男の人がいた

『出てこい悪鬼ッ！村を返せ！』

入ってくるや否や3、4人の男衆はそんなことを叫び始める

『なんや、うっさいなぁ』

それに答えるように先程の異様な家の屋根の上からそう声がして...

見覚えのある浅縹色のふわふわした髪から覗く黒い一本角

ﾕｳｷ「チーノくん...？」

今と違ってオレンジの模様の入った着物を着た彼が顔を出す

ﾁｰﾉ『なんの用です～？昼寝のじゃまなんやけど』

『ふざけるな！』『貴様村を元にもどせ！』

『貴様のせいで村を崩して建て替えれないだろ！』

ﾁｰﾉ『知ったこっちゃないわ、ここはもう僕の物やから』

『なんだt...うわぁぁぁ！？！』

反論しかけた所で、男衆の一人が門の外へ吹き飛ばされる

ﾁｰﾉ『はいはい、この悪鬼様が本気だす前にどっかいけぇ』

『ﾋｨｯた、退散！退散だぁあ！』

ﾕｳｷ「よっわ...というかチーノくんつっよ...」

思わず呟く俺を他所に"昔"のチーノくんは屋根から降りると

建物の戸を叩く

ﾁｰﾉ『追い払ったから大丈夫やで、瓜子姫』

そっと扉が開かれ、瓜子姫と呼ばれた女性が顔を出す

瓜子『天邪鬼さん、あなたすっかり悪者ね』

ﾁｰﾉ『何代も前の瓜子姫を騙して拐ったのは俺ですよ？元々悪者やわ』

瓜子『でも、私に柿をくれたのも、私の今のままの村で死にたいという願いを叶えてくれたのも貴方よ？』

ﾁｰﾉ『はは、まぁそうやなw』

笑いあうのを見ながら思う

ﾕｳｷ「あの人のためにあんなことを...？」

　
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バレンタインスペシャルは諦めました

イラストは戯れの方にあげました

あと今更ですが

『二』のお気に入り50人ありがとうございます

これからもよろしくおなしゃす