第52話 あの日 ページ5
これは、少年と男が出会ったあの日の話である
その日、少年は12、3と幼いながらに戦っていた
大切な国を守るために、市民と両親のいる城へと
敵軍を近づかせぬようにと、必死に
だが、勝てるわけがない
少年の目の前で、仲間の大人の兵が命を散らしていく
少年も、傷だらけ
涙を堪えながら必死に立っていたものの
目の前に現れた巨漢の敵に、絶望を抱き
ついに膝をついてしまった
巨漢の大鎚が迫る
ただ怯えるしかできない
と...次の瞬間
巨漢が血飛沫を上げて倒れた
その後ろでは
一人の男が血塗れた剣を片手に立っていた
驚く少年に男が笑顔で言う
「大丈夫、私がこの国をたすけてあげよう」
少年は、歓喜した
『この人はきっと、どこかの国からの援軍だ』
期待と安堵で表情を明るくした少年に
男が手をさしのべて、言う
「ただし、君と引き換えだ」
悪魔の血を引く少年は
その言葉の意味をわかっていた
傷だらけの頬に涙が一筋伝う
その涙は、少年の仲間の血で塗られた
地面へ、おちる
死んでもいい、何をされたって
今はそんな事どうだっていい
大事な人が守れるなら
少年は、男の手をとった
その日男は、最高の契約を交わした
その日少年は、最低の所有物となった
これが
哀れな狼と
歪んだ化物の
十数年にわたる歪の
始まりの日の、話である
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夜月ルナ(プロフ) - 海玲 ミレイさん» ミレイさんコメントありがとうござます！フェアリーテイルは漫画を全巻読んでいまして、それこそ魔法の参考にさせて頂いていたりしています。 (2021年1月2日 21時) (
レス) id: 012def0b6c (このIDを非表示/違反報告)
海玲 ミレイ - 初コメです！ もしかしてフェアリーテイル知っているのですか？ (2021年1月2日 7時) (レス) id: 4fcf758c47 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ルナ(プロフ) - バリバヒさん、ありがとうございます！頑張って書いていきます！ (2019年12月6日 18時) (レス) id: 7d5c3fd4fb (このIDを非表示/違反報告)
バリバヒ - 続き期待してます、すごい壮大で美しい物語ですね (2019年12月6日 16時) (レス) id: dc5f1fb27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月ルナ | 作成日時：2019年12月1日 9時
