第50話 『愛してる』 ページ3
ユウキside
ユウキ「んん....」
目を覚ますと見慣れたグレーの布団
ここは...俺の部屋か
鬱先生が運んできてくれたのであろう
明日お礼言わなきゃな
外が暗い、昼も夜もご飯も食べずに寝てしまっていた様だ
ユウキ「ヤバイな...俺...」
水を飲みに行こうと思い、ドアを開けて部屋の外へ出る
廊下から外をみると
所々に明かりが灯っている街の様子が綺麗だ
ふと、夜だから閉まっている城の門の前に目がいく
そこに、マントに身を包んだ人影が一つ
よく見えない、でも、わかる、あれは...あの人は...
窓を開けようと無意識に手が動く
と、
グルッペン「被ってろ」
突如、音もなく現れた吸血鬼の彼のコートに包まれる
ユウキ「えッちょっ?」
グルッペン「惑いの術を使ってくるとは...悪趣味だ」
焔が灯るような音がして、驚いてコートを退かす
その場所をもう一度みればさっきの事が嘘のよう
ただの夜の暗がりしかない
ユウキ「い、今のは?」
グルッペン「罠だろう、夜は俺の領域だとわかってやっているなら、舐められたものだゾ」
幻、だったのか...?
俺を、誘い出すための?
今、グルさんが来ていなかったら、俺は何をしていた?
窓から出て、あの影を追おうとしていた?
ユウキ「ッ...」
怖い、自分が、わからなくなっていくのが
彼のコートを握り締める
ユウキ「グル、さ...」
『助けて』
紡ごうとしたその言葉は
どうしたって
俺の口からはでなかった
グルッペン「ッ!」
"でなかった"のだ
体が霧化していっている
これは、口寄せ魔法の一種だ
考えられることは、ただ一つ
さっきの、俺の馬鹿で俺の完全な居場所をあの人が把握し、口寄せを...
グルッペン「ユウキッ!」
あぁ、ごめんなさい
ユウキ『 』
遠退く意識の中で
俺は
声にならないけど、言葉をひとつ
呟いた
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夜月ルナ(プロフ) - 海玲 ミレイさん» ミレイさんコメントありがとうござます!フェアリーテイルは漫画を全巻読んでいまして、それこそ魔法の参考にさせて頂いていたりしています。 (2021年1月2日 21時) (レス) id: 012def0b6c (このIDを非表示/違反報告)
海玲 ミレイ - 初コメです! もしかしてフェアリーテイル知っているのですか? (2021年1月2日 7時) (レス) id: 4fcf758c47 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ルナ(プロフ) - バリバヒさん、ありがとうございます!頑張って書いていきます! (2019年12月6日 18時) (レス) id: 7d5c3fd4fb (このIDを非表示/違反報告)
バリバヒ - 続き期待してます、すごい壮大で美しい物語ですね (2019年12月6日 16時) (レス) id: dc5f1fb27a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜月ルナ | 作成日時:2019年12月1日 9時