弱い私を愛してくれた【∞紫】【完結】 (ページ16)

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大丈夫ページ16

A「信ちゃん、ごめんなさい」
村「A」
A「私、やっぱり普通じゃないみたい、何が信ちゃんを幸せにできて、何が信ちゃんを怖くさせるのか、わかってなかったみたいです」
村「怖がってへんわ。ただ」

背中にまわった腕が優しく背をトントン、と叩いてくれた。

村「Aが無理してほしないねん。一緒にがんばりたい。でも割合は俺が9：1くらいでな」
A「9：1は、…ちょっとやだな」
村「なんでやねん」
A「だって、私も信ちゃんのこと…大好き、だから」

背中に回っていた手がゆっくりと這うように私の腕に回り、そのまま頬にのぼってきた。
両頬に彼の優しい長い指が這う。

村「ようやっと、好きって言うてくれたな」
A「…ずっと、好きだったけど…言葉にするのが、こわくて」
村「ええ、ええよ。お前のペースでええねん。それで、俺んこと好きやったら、なんでもええ」

長い指が優しく私の瞼を下すようになぞった。

促されるまま目をつむる。

村「ちゅーするときは、目ぇつむるんがルールや」

そんな甘くて優しい声が聞こえたかと思ったら、優しくて甘い唇が唇に重なった。
最初はついばむように何度も私の唇に触れて。
それからゆっくりと覆うように私の唇は彼の唇に包まれた。

村「…」
A「…っん…ふ…」
村「…あ」
A「…ふふっ」
村「目ぇ、あけたらあかんって言うたやろ」

あほ、と優しくしかられる。
でもどうしてもこの目に納めたかったんだ。

瞳を開けたその目の前には、優しく優しく微笑む彼の顔。
愛しさも大好きも、きっとこの先いろんなことを、彼が教えてくれるんだ。
そんな予感が胸をいっぱいにした。

A「信ちゃん」
村「ん？」

狭い部屋の中わざわざ指を絡めて手を繋いで、彼の座ったソファの、彼の膝の中に、彼に包まれるように抱きしめられて。

私の手首は傷だらけ。
カラダもあざだらけ。
ココロも人よりだめなところばかり。
そんな私を愛してくれた。

A「弱い私を愛してくれて、ありがとう」

彼はぎゅーっと大げさなくらい私を抱き込んで、耳元で吐息が耳にかかるくらい近い距離で囁いた。

村「Aやから、好きになってん。一生、俺んそば、離れんとってや。愛してる」

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FIN