弱い私を愛してくれた【∞紫】【完結】 (ページ2)

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会いたいページ2

村上「おらんよう、なってしまいそうや」
A「だとしても見ず知らずの私と芸能人の村上さんには特に関係のないことです」
村上「そうやけど、そうかもしれんけど」
A「けど？」

手首をつかんでいるその長い指が優しくて、誰にも気に留められないひとりぼっちの自分にはそれだけでなんだか幸せだったのに。

村上「俺の知らんとこで消えてなくなったら後味悪いやん。連絡先、教えてや」
A「でも」
村上「俺、普段こんなんいわんから、自分でも戸惑ってる。でもどうしてもなんか、Aさんに消えてほしくないと思ってん。やから、少しでも抑止力になるように、連絡とらせて」
A「そこまでしてくれる意味がわかりません」

そっと手首の指を外すと、彼は頭を軽くかいて笑った。

村上「俺もわからん。なんやろ。一目惚れはせんのやけど」
A「え？」
村上「あ、いやそうやなくて。とにかく、これ」

連絡先を手渡されて何も言えずにいると、

マネ「村上さん、遅くなりました」

男性が近寄ってきて、彼の関係者だと気づき、逃げるようにその場を去った。彼は立ち去る私に声をかけることも追いかけることもしなかった。
振り返らなかったので表情もわからなかった。

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安「村上くん、なんか考え事」
丸「信ちゃんえらい眉間にしわ寄ってんで」
村「ほんまか？

スマホからパッと顔をあげると、ヤスと丸が心配そうにこちらをのぞき込んでいた。

大「株価でもさがったん？」

にこにこ笑いながら声をかけてくる大倉も、少し不思議そうにこちらを見ている。

村「いや、下がってへん。ちゃうねん、ちょっと連絡待ってん」

連絡先を渡してから数週間。彼女からの連絡はまだない。

横「ヒナがそない連絡待つって誰なん」

村「いや…よう知らんひとなんやけど」
丸「ますます謎がふかまるわ～」
安「よう知らんのに連絡とってんの？」
村「いや、とってへん、というかとれてへん」
大「ははっ。わからんな～どういうこと？」

スマホから顔をあげると思いのほか近くからヨコも気にした様子でこちらを見ていて、まあ話してもいいか、と打ち明けることにした。

村「こないだ俺病院いったやん？そんとき、死にかけて入院したって女の子、待合で一緒になって、連絡先渡した」
大「めずらし、ナンパやん」
村「ナンパちゃうわ！」
横「大丈夫なん、それ」
村「悪用するような子やなさそうやった」
安「死にかけてって？」
村「自殺未遂らしいねん」