壱 ページ5
「─さま、お師匠様。」
澄んだ優しい声が私を呼ぶ。
嗚呼、何て心地の良い目覚めだろう。
目を開くと、柔らかな鳥の子色の行灯の光に照らされた愛弟子もとい小雪が微笑みを浮かべて私の顔を覗き込んでいた。
楚楚とした笑顔の奥底に浮かぶ色香は筆舌に尽くし難い。
これはどう考えても
良い嫁の貰い手が見つかればいいのだが。
等々、心の中で弟子の将来について杞憂しながらも彼女に起こしてくれた礼を伝えた。
今日は久方振りにしのぶとの任務が入った。
日が暮れる前ではあるが、外は暗くなりはじめている。そろそろ彼女を迎えに行くとしようか。
すぐさま体を起こして
私としたことが…不覚だ。
そんな私の様子を見て、小雪が可笑しそうに小さく声を出して笑った。
「ふふっ、お師匠様が慌てるなんて珍しい。
そんなに焦らなくても蝶々は逃げませんよ!
何と言いましても、」
からかうようにそう付け加えた小雪に困ったものだと私が溜め息をついたのは言うまでもない。
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天霧(プロフ) - とても面白いです。続きが気になります。更新待ってますので頑張ってください (2021年9月28日 14時) (レス) @page12 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
電車 - 神☆(`∀´)♭ (2019年11月24日 23時) (レス) id: 55820afc03 (このIDを非表示/違反報告)
茶トラ丸(プロフ) - イエイエ!さん» お褒め頂き、ありがとうございますっ…。そのお言葉ひとつで頑張ろうという気持ちになれます! (2019年11月6日 18時) (レス) id: b46c3a08b5 (このIDを非表示/違反報告)
イエイエ! - やっぱ神だったのか、、、、★ (2019年11月5日 18時) (レス) id: 55820afc03 (このIDを非表示/違反報告)
茶トラ丸(プロフ) - イエイエ!さん» わわ、愛してるだなんて…ありがとうございます(о´∀`о)← (2019年10月28日 23時) (レス) id: b46c3a08b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茶トラ丸 | 作成日時:2019年10月10日 23時