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なんだかんだありつつ、結局海外に飛ばされた私であるが案外そこでの生活は快適である。広い部屋もあるし、食事も美味しい。ご丁寧に日本語の本も山ほど置いてある。最近は『よく使う露西亜語』というのを読んでいる。

「привет там」

これで読み方は合っているのだろうか。まったく、彼やゴーゴリさんは一体何処で日本語を覚えたのか。まぁでも習うより慣れろなんて言葉もあるし、気長にやろうと思う。

「綺麗な発音ですね」

「...ドストエフスキーさん、どうして?」

本来ならば彼は非常に安全な隠れ家にいるはずだが。どうやって出たのかは何となく察するが、理由は検討がつかない。すると彼は涼やかに笑って言う。

「折角貴女を手に入れたのに、これでは無意味ですから」

なんという理由であろう。要は、私と居たいが為に出てきたと。思ったよりずっと不合理で嬉しい理由。

「しかし、現状ムルソーより安全な場所はありません。戻った方がい、うむっ!?」

「素直でない口はこれですか?」

頬を挟まれて、真正面から有無を言わさぬ笑顔で見つめられる。私だって、彼の部下として最善策を提案しているだけなのに。

「そんなこと言われましても、貴方を守るのが今の仕事です」

「では、個人的にお聞きしますが貴女は私にあんな寂しい所に戻って欲しいですか?」

「それは何とも...」

「それに、ここに居れば貴方が守ってくれるでしょう」

恋愛感情というのは非常に厄介で、こうも言われてしまうとどうにも甘くなってしまいそうである。結局、私個人としては会えるのは嬉しいのだ。

「あぁもう、判りました...」

「これからよろしくお願いしますね」

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海柘榴 - うぬん......キッス (2019年5月10日 21時) (レス) id: f0a2653d1b (このIDを非表示/違反報告)
:⊃ - 更新されとるぅ…//// (2018年12月15日 8時) (レス) id: 38b1e7cbab (このIDを非表示/違反報告)
蝶々(プロフ) - モナカさん» ガハラちゃんクールにかけててよかったです(笑)応援ありがとうございます更新頑張りますー! (2018年10月1日 7時) (レス) id: e315375680 (このIDを非表示/違反報告)
蝶々(プロフ) - 乱歩君大好き人間さん» ありがとうございます!私もガハラちゃん大好きなので嬉しいです! (2018年10月1日 7時) (レス) id: e315375680 (このIDを非表示/違反報告)
モナカ - ガハラさんのクール感すっごいすきです!やっぱもうちょいポートマフィアにいて欲しいけど…更新頑張ってください! (2018年10月1日 0時) (レス) id: 4af8f25fc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蝶々 | 作成日時:2018年9月16日 0時

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