トリップしてきた夢女子、愛されすぎて困ってます ２

42.孤独感 ページ3

Aｓｉｄｅ

ふと思った。
コナンの世界に来てからしばらく経ったな。最初は当たり前だけど秀ちゃんや零くん、コナン君に疑われて焦ったな。でも実際会って話してみるとみんな温かい人だし漫画とかアニメじゃ知れない事も知って。毎日が楽しいし夢のような時間を過ごしている。だが、私はこの世界の住人ではない。私が元居た世界の家族はみんな元気だろうか、きっと心配しているに違いない。私は今、この世界には家族が居ない。天涯孤独だ。今では秀ちゃんは家族同然だけど血のつながった人は居ない。それって本当に辛いんだ。


おかしいな。いつもはこんなに深く考えないようにしてるのに。楽しすぎてお酒を飲みすぎてしまったためかボーっとしながらそんな事を考える。



松田「A、なんで泣いてんだ！？」



心配そうに顔を覗き込んでくる陣平くん。わたし、泣いてるの？確かに鼻はツーンとするし視界もぼやけてる。



A『ごめん、色んな事思ったら悲しくなっちゃって…』



涙はおさまるどころか更にあふれてくる。泣き顔を見せたくないから俯いていると誰かが優しく私を包み込んだ。



降谷「お前は一人じゃない。たとえ家族が居なくても俺たちが居るだろ。一人で抱え込まないでなんでも話してくれ。俺はAの泣き顔は見たくない。笑っててくれ。それに気に入らないが家に帰れば赤井が居るだろう。気に入らないがあいつは妹がいる分、面倒見はいいだろう。たまに甘えてはどうだ？もちろん俺にもな」



零くんにはかなわないな。なんでもお見通しなんだ。優しい声でそう言いながら背中をさすってくれる。本当に私の周りはいい人しか居ない。次元を超えて決して会うはずのない大好きな人たちに会えた。気に入らないがって二回言ったし俺にもなってめっちゃ強調してたけど…。




A『零くん、ありがとう…。そうするね。秀ちゃんにも甘えてみる。でも私、この世界に居ていいのかな…』




この事を考えるとやっぱり不安になる。みんなを救えたのはいいけど私は本来ここに居るはずのない人間。神様の優しさありきでここまできたけど私によってみんなの未来が悪い方に傾いてしまったらと考えると怖い。




諸伏「居ていいに決まってる。俺はAに出会えて良かった。命の恩人だし。Aの笑顔見てると元気になれる。きっとみんなそうだぞ」


そうだぞとみんなうなずく。ありがとう、みんな。



――本作の１が初めて５０００ｈｉｔ超えました！喜び

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