色付く ページ3
ねぇ、聞いた?転校生の話
なあなあ、転入生来るらしいで
新学期初日。
家を出てから教室に入るまでに何度転入生という単語を聞いただろうか。
まぁ俺も興味ありありだったけど、さすがに飽きた。
あー、はいはい。
東京からで?どっかの会社の御曹子。
玉の輿イケメンで?某芸能プロダクション所属?
もう覚えた。
この話題飽きた。
しかもさ、
『東京人の金持ちイケメン?いやいや、かわええ女の子がよかったわー』
「重岡、よく言った!」
『せやろ!?』
「せやせや、学校入るなり女子共がキャーキャーキャーキャーと。」
「なによ、転入生が女子やったらあんたらがうるさなるんやから同じやんか」
『実際かわいい芸能人が来たらキャーキャーなるくせに』
まあ話題が転入生で持ちきりだからとはいえ、いつもの学校生活がはじまる。
『かわいい女の子おったらさ、もうちっとは学校来る気力出たやろなー。』
「ほんまそれー」
「まじ学校だるいわ」
先生「はい、静かに!」
ざわざわしていた教室が静かになる。
転入生の話だとみんなわかっているからだろう。
先生「今日から転入生が来る。二人や。」
「え?二人?」
先生「せや。このクラスには、女子生徒が転入することになっとる。仲良うしたれよ」
可愛いらしい女の子がいいな。
なんか、いちごみたいな。
一瞬だけ、小さな女の子が脳裏に浮かんだ。
同時に赤い雫が落ちて、滲んで消えた。
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作者名:いちごあめ | 作成日時:2019年1月13日 2時