34. ページ38
結局あれは何だったのだろう。
人間のあたしにはさっぱり見えなかったのだけど、まおは大蛇だという。
そんなことを考えながら屋敷の庭をふらふらと歩いていると大きな池が見えた。端まで歩いてきたみたいだ。
畔に人影が見えた。少し近づいてみると座り込んでいたその影は勢いよく立ち上がり此方へ近づいてくる。
「君はフルーツティーは好きかい。俺は好きだ」
「……は？」
あたしがすっとんきょうな声を洩らすと、日を受けて影ではなくなったその男の人はずいとあたしの顔を覗き込んだ。
日光を受けて明るい髪と同じ色の長い睫毛がゆらゆらと揺れる。整った鼻筋が、更にその綺麗な顔立ちに磨きをかけていた。
高い位置にある腰を折り曲げて此方を覗き込むくせにその瞼は開かない。
「君は、フルーツティーは好きかい。あの鼻を抜けていく甘い香りがどうもたまらない」
一頻りフルーツティーを連呼したあと、器用にそれまで閉じたままだった両目の右だけを開いた。細かく動き焦点の定まらない黄色い瞳は一向にあたしを映さない。
「俺はレヴォネ・アングイス。この通り目が不自由でね。感覚で一人ここまで歩いてきた訳だけど、どちらからやってきて此処は一体何処なのか検討もつかない。暫く此処に座っているが誰も迎えに来てくれない。そこで困り果てて居たところに幼いころ飲んだ母のフルーツティーの香りを纏った君が現れた!きっと君なら俺を部屋まで帰してくれるだろう!」
そういえば朝、飲んだお茶は確かに桃の味がしたかもしれないが。
嗚呼、自分自身このだだっ広い屋敷の造りなどまるでわからないのに、あたしはこの目の前の紅茶好きイケメンエルフを送り届けねばならないらしい。
⇒⇒
……キーシャやミラといい彼といい、色素の薄い肌や髪の顔立ちを美しいように描写するのは、日本人の白人コンプレックスなるものなのか。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カナト - 小粒納豆さん、優瀬さんの作品ではすみませんでした。私はもうしないように占いツクールを開くのを辞めます。すみませんでした。もう私の名前を見ることは無いと思いますが、小説はがんばってくださいね。 (2015年12月2日 23時) (
レス) id: 136af5a260 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - ふぁいとー (2015年11月15日 1時) (レス) id: 22162cdd0e (このIDを非表示/違反報告)
音牙 - 頑張れ！作者様ファイト！(ﾟ∀ﾟ ) (2015年9月11日 17時) (レス) id: 9f9ee0d942 (このIDを非表示/違反報告)
sakuya - ごめんなさい、途中で送信してしまいました。これからも(,,ﾟДﾟ) ｶﾞﾝｶﾞﾚ! (2015年8月6日 19時) (レス) id: 9f9ee0d942 (このIDを非表示/違反報告)
sakuya - 短針が２をさすんじゃないですか？ (2015年8月6日 19時) (レス) id: 9f9ee0d942 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小粒納豆 | 作成日時：2015年4月25日 16時
