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「…Aの家ってどこ…?」

『さり気に呼び捨てっ…………。てか運転出来たんだね相川君』

「…………降りろ」

『すいませんもう言いません』

現在深夜の道路を相川君に送ってもらっています。まぁ、かなりのイケメンなので結構緊張するのだが、私は自分のキャラを貫き通す。
かく言う彼も私のウザイ質問につっけんどんないつも通りの感じで返してくれるので地味に楽しい。相川君ってあれだね。運転姿が凄く様になってる。

横顔綺麗だなー…まつ毛なっが。羨ましいわ…………

そんなことを考えて彼を見ていると、大きなクリクリの瞳とふと目が合った。

「…………さっきから何見てんの」

『…小顔矯正でもした?』

「…馬鹿にしてんの…?」

『…う、ぁ只イケメンだな、って………………』

何の気無しにそう言ったら眉間にしわを寄せてコンビニの駐車場に突然止まる。
何が何だか分からない。イケメンって言っちゃあかんやつだったのかな………

どうしよ…

『…あ、相川君ごめん』

こちらを真顔でまじまじと見たと思えば、ひゅっと長い腕が伸びてきて前髪を上に引っ張られた。

『いっ、だだだだだだだだだだっ!!ななな何っ!?』

「…………ブス…」

『はぁっ!?なんだとっ、いや近い近い近い近いぃ!』

いきなりのブス発言に反論は出来ないが心底いらだったので言い返せば、急に近づく綺麗な彼のお顔。私の心臓がバコバコなってる気がする。いや完全にうるさい心臓。

ぱっ、と手が離されはらっと前髪がおでこに落ち着けば、反動で窓ガラスに頭をぶつけた。暴れすぎて逆に止まりそうな脈にぶつけた振動が響く、い”っ、と女子の要素が全くない声が出る。

視線の先の相川君はちょっと私を睨みぎみだ。


「…………A、僕と付き合って。てか付き合う。はい決定」

は?頭を押さえながらばっ、と彼の方を向けば、まだ睨んでいる。え、まって可愛い写メ撮りたい。

『…は、働き過ぎじゃないかな。誰かと間違えてるでしょ』

「…Aが僕と付き合うの」

Aが…、のところで指をさされ、僕と…、のところで自分を指さした。


『…………つまりは、』

「そ、カレカノってこと」

『い、みがわかりませぬ』

「…………付き合うのはもう決定してるから」

しゅん、と俯いた彼は、次の瞬間勢い良く顔をあげると

「いいでしょ?」


見たこともないような、爽やかな笑顔を見せた。


「……やった…………」


ヤバい。笑顔がまぶしすぎて頷いてしまった。

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作者名:まんぼうコロッケ | 作成日時:2018年9月17日 19時

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