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自分で言うのもアレだが、結構人生真面目に生きてきたと思う。
勉強とか運動とか、特別要領が良いわけではないが、そのおかげか人一倍努力はしてた。

『…ふぉぉッ!…あああ相川君!?さっきから何やって…………』

「…ふっ」

『ひぃっ…………やめろぉぉぉおお!!!』

「…手、止めていい何て言ってない」

なんなんですかこれは。もうひどいよ神様、生き地獄じゃん。
もう殆ど目を閉じかけていると、唐突に耳に暖かい風が吹いたと思えば、それは相川君の吐息だった。仕事が早く終わらないから。という理由でとにかく息を吹きかけてくる。
というか理由から意味が分からない。

直後に後ろを振り返れば、普段無表情の相川君が薄っすら口角をあげていた。

「…何、見惚れたの…………?」

椅子に座っている私に覆いかぶさるように耳元に顔を近づける彼。ゆっくりと背中から熱が伝わってきて、甘い吐息に勢い良く肩が跳ねる。

そのまま耳元で相川君の声がダイレクトに鼓膜を震わせて恥ずかしい。一体何をしたいんだ彼は。

『あ、相川君ホントやめっ、ぅ…………逆に、仕事出来んからっ…』

「はいやめた。仕事早く終わらせてね…………。遅すぎたら先帰るから」

たった一言ですぐにやめた相川君。

…………もうこれさ、セクハラで訴えていいやつだよね

颯爽と去っていった彼の後ろ姿を怒りを込めて睨む。若干ついて行ってない思考を覚醒させるように自分で自分の頬を叩く。パチィィィイン!と豪快な音が響く。

『…………遊ばれた、よなぁ…………………』

別にどうでもいいことだ。
相川君が遊び好きで毎日キャバクラに入り浸っていたとしても。というかあのルックスで女の子が放っておく訳がないのだから、彼女くらいはいるだろう。あっ、けどあの性格人を選ぶな………

逆に仕事出来ない気がする…………。

男性にあんな事されたら私に限らず女子はみんなズルズル引きずると思うが、彼のようなイケメンでは遊びと割り切ってしまえる。

今から家に送ってもらうなら好都合じゃないか。ドキドキしなくて。


姿勢を整えて気持ちを切り替える。この量だったら数分で終わりそうだ。

『…頑張ろ…………』


真面目に生きてきたつもりだけど、結構神様は辛辣なのだ。







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作者名:まんぼうコロッケ | 作成日時:2018年9月17日 19時

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