アイドルとして？仲間として？《7》 (ページ16)

今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:11,098 hit

二重人格ページ16

Noside

先程、少女が破壊した水晶から溢れた光は未だ絶えず輝き続ける
一度その光に飲み込まれた少年少女達は、消える気配のないその輝きを呆然と眺めていた

ﾄｳﾏ｢A…｣

その時だった
光が今までで一番の輝きを放った
あまりの眩しさに、その場にいた全ての者が目を細める

ﾅﾂﾒ｢っ！｣

ｱｷﾉﾘ｢何だ…！？｣

光がだんだん収まっていく
小さくなった光は人の形に変形し、やがて一人の少女が現れた
少女の茶色い髪は、所々に青みがかった白色のメッシュが入っており、右目が水色、左目が青色に染まっていた
変わり果てた彼女の姿に、少年達は息を飲む

ﾄｳﾏ｢…A？それとも…｣

ﾅﾂﾒ｢如月…？｣

二人の問いに答えるように、少女は口を開いた

『 “今の我はAでありながら如月の力を取り込んだ、二つの人格を合わせ持つ存在” 』

ｹｰｽｹ｢二つの人格を…合わせ持つ…？｣

『いわゆる、 “二重人格” かな？』

二重人格だと言った少女は、その言葉の通り最初は如月が、次はAが言葉を発している

『 “朱夏や皆への恩を返すため、必ず空亡を倒す！” 』

『この世界を守ってみせる！』

順番にそう言い放ったAと如月は宙を蹴り空亡の元へ飛んでいく。とてつもないスピードで
一瞬で空亡の目の前に辿り着いた彼女は右手を前に突き出した
そこに光が集い、アスカ輪廻妖魔剣が現れる

『 “まさかAが持っているとは思わなかったな” 』

『如月？』

彼女から妖力が溢れ出し、剣に注がれる
すると剣は光り輝き徐々に変形していった

ｱｷﾉﾘ｢妖魔剣が！｣

『これは…？』

『 “アスカ輪廻妖魔剣とは仮の姿だ
真の姿を見せるがいい、キサラギ殺生剣” 』

完全に変形した剣が姿を現す
それはアスカ輪廻妖魔剣とは全く別物の、けれどどこか妖魔剣の面影のある物だった