アイドルとして？仲間として？《5》

最後に決めるのは… ページ41

話が終わって皆が帰っていく
全員が深刻な顔をしていた。クルミやナツキですら
私も帰ろうとしたのだが、どうしても気になることがある


ﾄｳﾏ｢A？｣

『……トウマ、先に帰ってて』


少し歩いた道を引き返し、カイラのもとへ向かう
トウマが少し悲しそうな顔をしていたが、今はごめん


ｶｲﾗ｢来ると思っていた｣

『だから残っててくれたんでしょ？』


話が終わったならすぐに帰ればいいのに、ずっと残ってたからね
何気に優しいんだから


『…私が覚醒したら、空亡を倒せるの？』

ｶｲﾗ｢それくらいの力はあるだろうな｣


空亡を倒せる力…


ｶｲﾗ｢だが、人間の器には収まりきらない力だ。最悪の場合、命を落とすことになるだろう｣


やっぱりか…
分かってはいたけど、力が大きければリスクは高くなる


『どうすればいいんだろう…』

ｶｲﾗ｢それは、お前が決めることだ｣

『そんなこと言われたって…』


皆を守れるなら…
でも、怖い…


ｶｲﾗ｢…まぁ、ナツメが朱夏として覚醒すれば、お前が覚醒する必要もなくなるが｣

『……』


なんか、ナツメに全部任せちゃうようで嫌だな…


ｶｲﾗ｢とにかく、最後に決めるのはお前だ。それは覚えておけ｣

『分かった…』


私は、決断できるのかな…？


『あ、そうだ。水晶は？直った？』

ｶｲﾗ｢あぁ…そのことなのだが…｣


カイラは袖に手を突っ込む
そこから見慣れた紐が見えた


ｶｲﾗ｢お前に渡そうと思っていたのだ｣

『てことは、直ったの？』

ｶｲﾗ｢それが…｣


カイラから水晶を受け取り、ヒビが入っていたところを見てみる
しかし


『え？直ってない…』

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