心理的背理法(1)-Ⅰ (ページ22)

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私が入学してから未だに1人の友人が出来なくても、
私を明らかに忌み嫌う視線を送られても、ホグワーツの日常は止まることなく過ぎていく。

動く肖像画や絵画たちは変わらず何かをコソコソと話していたし、142もある階段や、沢山の奇妙な仕掛け扉は、新入生たちを惑わせていた。

私は1人ですることがなかったので、いち早く教室の場所を覚えて、いち早く授業に向けての勉強を始めていた。
幸いにも、授業はどれをとっても面白く、特に私は変身術を心待ちにしていた。

「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの一つです。いい加減な態度で私の授業を受ける生徒は出ていってもらいますし、二度とクラスには入れません。はじめから警告しておきます」

その変身術の初めの授業を、マクゴナガル先生はお説教でスタートさせた。
それが済むと、先生は机を豚に変え、また机に戻して見せた。感心した生徒たちは、早く自分もやってみたくてうずうずしていた。

しかし、マクゴナガル先生が出した課題に四苦八苦することになり、机を豚に変えるのは遠い道のりだと思い知らされていた。マッチ棒を針に変身させるのだ。

変身術がどんなに難しく、どんなに複雑かをノートに書き写した後、ようやく杖を持つ許可が降りた。

試しにやってみようと、習った通りに杖を振る。
すると、マッチ棒がみるみるうちに銀色へと変化していくではないか。

私はあまりにも早くできてしまい、かえって焦り、隠すようにそっと杖を下ろした。

「Ms.フリント、素晴らしいです！皆さんご覧なさい」

呆気なくマクゴナガル先生に見つかり、私が変身させたマッチ棒は皆の視線に晒されることになったのだった。

銀色に輝くマッチ棒は先生の賞賛を受けた。
本当に嬉しそうに、先生は私に微笑むと、グリフィンドールに5点加点した。

結局、授業が終わるまでにマッチ棒を針に変えられたのは
私とハーマイオニーだけだった。