心理的背理法(1)-Ⅰ (ページ18)

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松明が煌々と照らす大理石の階段をぐねぐねと登っていき、何度も隠し扉やタペストリーの裏をくぐった。
ホグワーツの絵画たちは皆動いたり、何かひそひそと喋ったりしている。

同級生たちがまだ着かないのか、と愚痴をこぼしあっているが、私の話し相手はもうどこにもいなかった。
先程の会話の後から明らかに私を避けているのが分かる。

あぁ、私の居場所はもうどこにもない。
いっそのこと、スリザリンに組み分けされていたなら。

そんなことまで考えた。

「ピーブスだ」

パーシーの呟くような声に、1年生たちは突然歩みをとめた。驚いて声を上げる間もなく、杖がこちらに向かって
飛びかかってきたのだ。

「ポルターガイストのピーブスだよ」

パーシーが威嚇するように大声を張り上げた。

「ピーブス、姿を見せろ」

酷く下品な音が廊下中に響き渡ったあと、
パーシーは脅すように言った。

「血みどろ男爵を呼んできてもいいのか」

ポン、と音がして何も無かった空間に小男が現れた。
意地悪そうな目つきでパーシーを睨んでいる。
あぐらをかいたまま、気味の悪い笑みで言った。

「おおぉぉぉぉ！かーわい、1年生ちゃん！
なんて愉快なんだ！」

甲高い声もそのままに、1年生の方へ急降下したかと思うと、ピタリと動きを止めて、私の目の前にやってきた。