心理的背理法(1)-Ⅰ (ページ12)

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「君、すごい量食べるんだね」

赤毛のロンが、こちらを物珍しそうに見ている。
私は途端に恥ずかしくなって、フレンチフライをよそうのをやめた。

「ごめん、そういうつもりじゃなかったんだ」
「失礼ね」

横からハーマイオニーがちらりと見て言った。

「ごきげんよう」

突然テーブルの上に銀色の生首が現れたと思ったら、
ロンが目をまん丸にして驚いた。

「僕、君のこと知ってるよ！ほとんど首なしニックだ！」
「いえ、むしろ読んでいただくのであればむしろ、
ニコラス・ド・ミムジー……」

ゴーストが不機嫌そうにロンを正そうとすると、シェーマス・フィネガンが割り込んできた。

「ほとんど首なし？どうしてほとんど首なしになれるの？」

サー・ニコラスは不安定な首を、左側にぐいっと引っ張った。頭が首からぐらっとはずれて、そのまま肩の上に落ちた。あまりにも衝撃が強くて、私は目をつぶった。
失礼、そう言うとサー・ニコラスは首を元に戻した。

「さて、グリフィンドール新入生諸君、今年こそ寮対抗優勝カップを獲得できるよう頑張って下さるでしょうな？グリフィンドールがこんなに長い間負け続けたことは無い。スリザリンが六年連続で寮杯を取っているのですぞ！血みどろ男爵はもう鼻持ちならない状態です………スリザリンのゴーストですがね」

肩を落とすと、ほとんど首なしニックは去っていった。