COMPOSER " HiB "（２）

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side 佐藤 龍我









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俺らがライブハウスに着いた時、何故かAちゃんは駐車場に1人で居た。









HiHiのメンバーがいるわけでもなく、バンドのメンバーがいるわけでもなく、









たった1人で、ポツンと車の陰に隠れるように座っていた。









声を掛けると、俺らを見て驚いた後、不自然なぐらいへらりとした笑いを浮かべて 『 中で話してきなよ 』 なんて投げやりに言うから、俺らは全員心配で仕方なかった。









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Aちゃんって、無理してる時とかなんか隠そうとするとすぐにあのへらりとした顔になるから、分かりやすいんだよなあ。









本人は隠してるつもりっぽいけど。









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俺が中に入るのを渋ってると、那須が小さい声で「行こう」って言うから、俺らはとりあえず中に入って行った。









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中に入った瞬間、Aちゃんがあそこに居た事と、あの表情の意味が全部分かった。









ロビーには、仲よさそうに女の子達と話してるHiHiのメンバー。









女の子はなんとなく見覚えがあるから、きっとAちゃんのバンドのメンバー。









Aちゃん、きっと寂しい思いしてるんだろうな、なんて思って振り返ると、









さっきまで俺の後ろにいたはずの浮所くんが居なくなっていて、Aちゃんの所に行ったんだってすぐに分かった。









やっぱどこまでもAちゃんが好きなんだなって。









流石だな、て思うのと、ちょっと悔しいのと。









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「 それより、、、 はあ、 」









目を向けるとつい溜め息が出てしまうぐらい何も知らずに楽しそうに笑ってる、 橋本くん。









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HiHiの5人の中で1番距離が近いし、ずーっとニコニコしてる。









Aちゃんの気も知らないで 。 なんて少し腹が立つぐらい。









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「 はあ 、 」









隣にいた那須も、橋本くんを見つめて溜め息。









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全く、橋本くんったら。





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