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#8 ページ9

「まだ隠れているんですよ、あのトイレの中にね」



『う、嘘……』




花奏の指先が震えると同時に、その瞬間は
訪れる。




パァンッ




花奏にとっては聞き覚えのある、しかし
聞きたくない嫌な音が部屋中に響く。



思わず耳を塞いでいると、真っ先に
走り出したのはコナンだった。



追いかけた安室達もその光景を見て
唖然とする。




安室は小五郎達に救急車や警察への
連絡を促した後、蘭に支えられている
立ちすくんだ花奏の元に駆け寄った。





「安室さん、花奏さんがっ……!」



「大丈夫です。花奏、もう大丈夫ですよ、
顔を上げてください」




_____呼吸が少し荒いな、薬……いや、
まだ間に合うか?




蘭が離れ、安室がトントンと肩を優しく
叩くと、花奏はピクリと肩を震わせ、
ゆっくりと顔を上げた。




その顔は青がかっており、目には
乾いた涙が溜まっている。





『あ、安室さ……』


「怖い思いをさせましたね、すみません。
花奏はポアロに戻っていてください」




この後のことは任せて、と花奏の
頭を撫でる。


花奏はゆっくりと頷くと、若干ふらついた
足取りで事務所を出た。





「花奏さん、一人にさせちゃって
大丈夫ですか?」


「……彼女にとって、この事件は少し
刺激が強いようなので。僕だって心配ですよ」





安室はそんな花奏の背中を、
目を細めて見送った。



花奏は安室に言われた通り、
ポアロに戻った。




「いらっしゃいま……あれ? 花奏さん、
また来てくれたんですか?」



『はい、ちょっと色々あって……
しばらくいてもいいですか?』



「全然構いませんよ、今はお客さんも
いませんし……ゆっくりなさって下さい」




梓は笑って、すぐにキッチンの方に戻っていく。


そして数分後、花奏がいつも頼むアイスココアを
運んで来た。




『あ、ありがとうございます……』


「いえ、……何かあったんですか?
すごく疲れた顔してる。
可愛いお顔が台無しじゃないですか」

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ももりんご(プロフ) - 下野ゆきさん» ありがとうございます(><)頑張りますね!!! (2018年7月4日 19時) (レス) id: 694f30da04 (このIDを非表示/違反報告)
下野ゆき(プロフ) - ももりんごさん» いえいえ治ったのなら大丈夫です。これからも更新頑張ってください楽しみにしています。 (2018年7月4日 6時) (レス) id: 3cd5fb801c (このIDを非表示/違反報告)
ももりんご(プロフ) - 下野ゆきさん» 私が反映されないように設定していたみたいです!!苗字設定は出来なかったようです……お名前の方は設定し直しましたので、お試しください。この度は本当に申し訳ございませんでした(・_・、) (2018年7月3日 23時) (レス) id: 694f30da04 (このIDを非表示/違反報告)
下野ゆき(プロフ) - ももりんごさん» 返信ありがとうございます。下で変更しても変わりませんでした。( ̄▽ ̄;) (2018年7月2日 23時) (レス) id: 3cd5fb801c (このIDを非表示/違反報告)
ももりんご(プロフ) - 下野ゆきさん» こちらの作品では目次の下にある登場人物設定でお名前を変えていただく仕組みになっているのですが、そちらで設定しても変換されていませんでしょうか? 御手数ですがご確認ください。 (2018年7月2日 18時) (レス) id: 694f30da04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももりんご | 作成日時:2018年7月1日 1時

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