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真っ白で何もない空間。
ただ、ひんやりとした空気だけが肌を刺す。
どこを見ても何もなくて、それが逆に不安になる。
志麻さんの手だけを頼りに、真っ直ぐと歩くとギィっと音がして目の前には眩しい光。
「うわぁ……」
『綺麗やろ?』
「はい」
そこはまるで楽園のような場所で、地獄と言うよりも天界と言った方が似合う場所だった。
赤、青、黄、紫、白。色とりどりの花が咲き乱れていて、花びらがひらりひらりと舞っている。
何ていうお花なんだろう、見たことない。
そしてなによりも目を引くのは、大きなお屋敷があるということ。
「大きい……」
『ここはうらさんのお屋敷。ここにいるのは大体みんな何かしら罪を犯して堕とされた奴ばっかりや。ふつーはここで裁かれる。確認しなくても悪いことをしてる奴はあの地下室』
「私みたいな人ってことですね、納得です……ん?」
『どした?』
「いや、あれって……」
私が指差したのは、木陰に座る人影。
誰かを待っているかのようにぼぉーとしている。
『多分、坂田。またサボってる』
「え?さかたんですか?」
確かに言われてみると、髪の色とか身長とか体型とか、全て一致する。
でも、何ていうんだろう。雰囲気が優しくなった気がする……。嬉しいけど、サボりがなくならなかったのは悲しい。
『いや、他に赤髪おらんて笑』
『さ、行こか』
また志麻さんに手を引っ張られながら歩き出す。
今度は少し急な坂になっていて息がしづらい。
しばらくするとだんだん周りの木々が消え、雲行きが怪しくなる。
『こっからは本当に静かに、さあご案内しましょう』
『地獄巡りツアーへ!』
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小鳥 - アウラさん» 返信遅くなってすみません🙏ありがとうございます✨✨✨自分のペースで良いのを書けるように続けていきます!! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 3800919eaa (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 昴流さん» 返信遅くなってすみません💦ありがとうございます(泣)嬉しいです✨これからも更新頑張りますね!! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 3800919eaa (このIDを非表示/違反報告)
アウラ(プロフ) - 小鳥さん» 誕生日おめでとうございます!これからも自分のペースで続けてください! (2022年9月29日 19時) (レス) @page20 id: 6edb471501 (このIDを非表示/違反報告)
昴流(プロフ) - 誕生日おめでとうございますー!いつも見させていただいてますっ!更新頑張ってください、! (2022年9月28日 23時) (レス) id: 519270a62c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 御弓。さん» 優しいコメントありがとうございます!!了解です!!自分のペースで更新頑張ります(●´ω`●) (2022年5月15日 19時) (レス) id: 3800919eaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鳥 | 作成日時:2022年4月18日 18時