僕の隣 (ページ25)

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25．君は本当にページ25

＜SIDE北斗＞

「もしもし姉さん？」

「北斗？ドレスとタキシードありがとね〜！助かった！」

「あれで良かった？」

「うん！写真見たけどほんと可愛かったし、渡辺くんも気に入ってたよ」

風呂から上がると、ちょうど姉さんから電話がかかってきた。
さっき選んだドレスとタキシードのデータにえらく喜んでいる様子だった。

「なら良かったけど」

「選んでくれたのって北斗の部下の子？」

「うん」

「もしかしてAちゃん？」

「あれ、何で知ってんの」

「渡辺くんから聞いたよ」

「あ、そっか」

しょっぴーも口軽くなったな、なんて笑いながら水を飲む。

「…好きって気持ち、持つのは自由だから」

「それも聞いたんだ」

「うん」

「…ま、そうだよね」

「北斗は優しいから。で、その優しさはもう十分伝わってると思う」

「…姉さん」

直接何かを話したわけじゃないのに、この人はいつもこうして俺の気持ちを汲み取ってくれる。

「相手がもし助けてって言ったら、絶対助けてあげなよ」

「分かってる」

「でも迷惑がってたらすぐ引くこと」

「そこまで子供じゃないから」

「なら良いけど」

初歩的なアドバイスに呆れていると、ふふふと電話越しに笑う姉さん。

「でもさ、姉さん」

「ん？」

「ありがとね」

「あら、今日は素直だね」

「…別に」

「また会いに行くから。その時好きなもの何でも奢る。考えといて」

「うん」

そう言って電話を切った。

血の繋がった姉弟じゃないけど、俺は本当の姉弟だって思ってるよ姉さん。