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24．あなたには渡さない ページ24
＜SIDE大我＞
「A、俺そろそろ…って、寝てるし」
コートを着て、帰る準備をしながら寝室を覗くと、ベッドでスマホ片手に寝落ちしているAの姿が目に入った。
「…もう、女の子は体冷やしちゃだめなんだよー…」
呆れながら布団を掛けてやる。
「…ふふっ、かわい」
幼い頃から寝顔だけは変わらない。
少しあどけなさの残る、俺だけが知ってるAの寝顔だった。
でも、
「…あ」
Aの手に握られたスマホを見ると、画面にあの人が写っていた。
お店のスタッフのような人と話している。やっぱり男でも嫉妬するくらい、きれいに整った顔だった。
「…だめだよA」
そういえばこの人も今日Aの寝顔見たんだよな、なんて思うとスマホを握る手に力が入った。
「Aは俺のなんだから」
今までも、これからも。
そう心の中で呟いて、俺はAの手からスマホを抜き、彼女に布団を掛ける。
そして、
「Aのために生きてるんだから、俺は」
そう耳元でささやいて、少し温かい額に唇を寄せた。
絶対に、渡したりなんかしない。
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作者名：リトルバード | 作成日時：2020年8月20日 15時
