僕の隣 (ページ14)

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14.　久々デートページ14

＜SIDE大我＞

「あ、Aっ」

院内のカフェに行くと、いつもよりフォーマルなファッションをしたAが手を振っていた。

「お仕事中なのに大丈夫なの？」

「うん。ちょうど昼休みだったし、それにAにここで会えるなんて嬉しかったから」

心配そうに尋ねるAにそう答えながら俺は向かいの席に座った。

「ならいいけど。はい、これ大我の」

「あ！バニララテだ！ありがとう！俺一番好きなんだよね〜」

「ずっと何年も同じの、飽きないの？」

「いいじゃん。おいしいんだもん。それにAが買ってくれたやつだしね」

呆れているAを前に、俺はバニララテを一口飲んだ。

「何かさぁ、平日のお昼にAとこんなゆったりした時間過ごせるなんて不思議だね」

「そういえばそうだね。大学の時以来？」

「うん。あの時は暇だったもんねぇ」

「そうだね。今とは大違いだね」

「でもこうやってデートできて嬉しいな」

「ちょっと大我、ここ病院」

「はぁ～い」

嬉しくてAの手を握ると注意された。Aは人前ではそういうのが嫌いらしい。

「ねぇ、大我」

「んー？」

「話があるんだけど」

「なぁに？」

改まっている Aの方に首を傾げると、

「正社員にならないかって」

思いもよらない答えが返ってきた。

「…え？正社員？今の会社の？」

「うん。上の人も気に入ってくれてるし、松村さんもね評価してくれてるの」

Aから出たその人の言葉に、自分でも分かるくらい体が緊張する。