君の隣

20．作戦成功？ ページ20

＜SIDE翔太＞


「こんなんで来んのかよ」


「来るに決まってんじゃん」


高3にして初めての図書室。
放課後だからか俺と樹しかいない。


ほくほくほくと試合前で遅くなる。姉さん頼んだ。
ほくほくほくと明日、ピザまん奢る
おっけー! 俺勉強するから図書室に来て!



「北斗はAを絶対一人で帰らせない。俺に面倒見るように言う。
だからその時間は北斗は来たくても来れない。その時間使って謝れば良いでしょ」

そう言って樹はニカッと笑った。

「…ありがと」

「どーいたしまして。あ、もうすぐA来るっぽい！俺は後ろで待機してるから！」

「は？！え、おい！お前！」

そういった時にはすでに時遅し。


ドアが開く音がしたかと思うと、


「…何で」


そこには驚いた表情の松村が立っていた。


「…や、あのさ」

立ち上がって頭をかきながら松村の方へ歩く俺。

「…樹は？」

「…樹はその今トイレ行ってて」

「…そ、じゃあ私外で待って「松村ごめんっ！」

松村の言葉を遮って、俺は頭を下げた。

「…何が」

「…嘘ついたこと…マジで最低なことしたって思ってる…」

よし、ちゃんと、今度はちゃんと謝れた。

「…もういいよ」

「よ、よくねぇよ！」

「…は？」

「全然良くない！良いって顔してねぇもん！」

必死すぎて、自分でも訳分からないくらいの大声が出る。

「…じゃあ…じゃあ聞くけど何であんな嘘ついたの？
私のことからかいたかったの？何がしたくてあんな嘘ついたの？」

「…それはっ」

松村の質問にうまく答えられない俺。


お前と話したくて、なんて言えねーよ…


迷っていたら、

「…言えないんじゃん。どうせ男子の変な遊びでしょ？」

松村はまたあの冷たい目で俺を見た。

「そんなんじゃ「そんなんじゃないなら何？」

「俺は！…俺は…その…」

「…渡辺くんなんか大っ嫌い」

そう言って松村は図書室を出て行った。

「あ、おい、松村っ！」

俺はこのままじゃダメだと思って追いかけた。

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