22.ごめん ページ22
<SIDE北斗>
「…やっべ」
腕時計は7時を指していて、部活が終わった俺は部室を出て、昇降口の方へと走った。
姉さん、ごめん。今終わった。
ラインを送って姉さんの返事を待つ。
でも
「…あれ?」
いつもならすぐに既読が付くはずなのに、今日は付かない。
また樹としゃべっているのだろうか。
そう思った俺は姉さんに電話を掛けた。
「姉さん、俺練習終わ「弟っ!」
だけど、電話に出たのは姉さんじゃなくて、あの人だった。
…何で、姉さんの電話にこいつが出るんだよ。
「…あんた何で」
俺はそのままその気持ちを声に出した。
でも
「松村がおかしい!」
その一言に俺はもうそんなことどうでもよくなった。
「…は?」
意味は分かる。意味は分かるけど、驚いてしまった。
「っな、何かわかんねぇけど、ずっと泣いてて俺と樹の声聞こえてないみてぇなんだよ!」
その言葉を聞いて、本当に恐れていたことが起こってしまったと思った。
「今どこだよ」
「…ここはっ」
電話の向こうのあの人はパニックになっていて、うまく答えられない。
「今どこなんだよ早く言えっ!」
俺は苛立ちと心配と焦りが混ざって怒鳴った。
「しょ、昇降口の方の階段!2階!」
「姉さんに指一本触れるな」
それを聞いた俺はすぐさま階段に向かった。
姉さん、ごめん。
俺は姉さんを守れなかった。
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小鳥(プロフ) - しょぴたんさん» しょぴたんさん!完結して日数経っていますがこうしてコメントいただけてとっても嬉しいです。なべほくいいですよね…笑こちらこそ作品読んでくださってありがとうございました><またしょっぴーとは別の作品でお会いできるよう頑張ります! (2019年9月9日 22時) (レス) id: e764ad7d51 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴたん - しょっぴーの作品なにかないかなーと思って出会った作品。北斗のことも大好きなので、推し×推しという最高の設定。いざ読み始めたらとても素晴らしい作品で一気に読んでしまいました!こんな素敵な作品に出会わせていただきありがとうございました! (2019年9月8日 22時) (レス) id: 3b873b3050 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥(プロフ) - あーべちゃんさん» あーべちゃんさん!お読みいただきありがとうございました!面白かったという感想、とってもとっても嬉しかったです。何度も読み直していただくと新たな伏線?みたいなのが見えてくると思います!新作も楽しみにしていただけると嬉しいです! (2019年8月24日 23時) (レス) id: fc4bc2a384 (このIDを非表示/違反報告)
あーべちゃん - とっても面白かったです。終わっちゃいましたけど、これからも読み続けます! (2019年8月24日 22時) (レス) id: cbb25d61fe (このIDを非表示/違反報告)
小鳥(プロフ) - 神ななさん» 神ななさん!ありがとうございます!心に響いたようでとても嬉しいです。しっかり読んでくださったからこそだと思います。ありがとうございます。新作執筆中なので楽しみにしていただけると嬉しいです! (2019年8月24日 17時) (レス) id: fc4bc2a384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鳥 | 作成日時:2019年8月10日 21時