14. やっぱり ページ14
<SIDE北斗>
「は?」
昼休み前、ラインを開いた俺は驚いて声を上げた。
はじめまして!Aちゃんから連絡先聞いて連絡しました!
もし良かったらお返事ください♪
見知らぬ先輩らしき人から連絡が来たからだ。
「…またかよ…」
あの姉さんめ…
また勝手に連絡先を…
人の気も知らないで…
そう思って姉さんに文句を言いに行こうと3年の教室へ行くと、
「あ、Aなら職員室行ったよ?」
クラスメートの人からそう言われ、俺は職員室に向かっていた。
すると
「あ、姉さん」
職員室の廊下で、ちょうど教室に戻る姉さんを見かけた。
「ちょっと、姉さん」
でも、姉さんは俺に気付かなかったようで通り過ぎようとしたから呼び止めた。
「…あ、北斗」
姉さんは立ち止まって視線をこちらへ向けた。
「あのさ、やめてって前にも言ったよね」
「何を?」
「こういうの」
俺は来たラインを姉さんに見せた。
「でも北斗のファン?みたいな子だったから」
「…だからって勝手に連絡先教えんなよ」
そう言い訳する姉さんに少し腹が立ってきつめに言う。
「…ああ、ごめん」
…あれ、今日やたら素直だな、この人。
いつもならああ言えばこう言う状態なのに。
「もうすぐチャイム鳴るから、行くね」
「姉さん」
俺は足早に立ち去ろうとする姉さんの手首をつかんだ。
「…何?」
「…何かあった?具合悪い?」
「…何で?」
「いや、いつもなら、こう、もっと食ってかかってくんのになぁって」
「…別になんでもないよ」
「うそ」
そう言った姉さんの顔は全然、何でもない顔じゃなくて。
「…しつこいな、うそじゃないって」
「…もしかしてあの人?」
否定する姉さんに残り一つの選択肢を投げてみる。
「…あの人って?」
「…渡辺なんちゃらって人」
「…ちがうよ」
俺が出した名前に姉さんの顔が一瞬揺れる。
やっぱり、あの人のせいなんだ。
「今日、部活定休日だから放課後迎えに行く」
「…うん、ありがと」
「じゃあね」
でも俺はその場では何も言えなくて。
ただそう言って姉さんの手を放した。
やっぱり、あの人、気に入らない。
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小鳥(プロフ) - しょぴたんさん» しょぴたんさん!完結して日数経っていますがこうしてコメントいただけてとっても嬉しいです。なべほくいいですよね…笑こちらこそ作品読んでくださってありがとうございました><またしょっぴーとは別の作品でお会いできるよう頑張ります! (2019年9月9日 22時) (レス) id: e764ad7d51 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴたん - しょっぴーの作品なにかないかなーと思って出会った作品。北斗のことも大好きなので、推し×推しという最高の設定。いざ読み始めたらとても素晴らしい作品で一気に読んでしまいました!こんな素敵な作品に出会わせていただきありがとうございました! (2019年9月8日 22時) (レス) id: 3b873b3050 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥(プロフ) - あーべちゃんさん» あーべちゃんさん!お読みいただきありがとうございました!面白かったという感想、とってもとっても嬉しかったです。何度も読み直していただくと新たな伏線?みたいなのが見えてくると思います!新作も楽しみにしていただけると嬉しいです! (2019年8月24日 23時) (レス) id: fc4bc2a384 (このIDを非表示/違反報告)
あーべちゃん - とっても面白かったです。終わっちゃいましたけど、これからも読み続けます! (2019年8月24日 22時) (レス) id: cbb25d61fe (このIDを非表示/違反報告)
小鳥(プロフ) - 神ななさん» 神ななさん!ありがとうございます!心に響いたようでとても嬉しいです。しっかり読んでくださったからこそだと思います。ありがとうございます。新作執筆中なので楽しみにしていただけると嬉しいです! (2019年8月24日 17時) (レス) id: fc4bc2a384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鳥 | 作成日時:2019年8月10日 21時