☆ ページ4
「なに、いきなり」
『ああ私達両想いみたいね!!付き合いましょう！』
彼は怪しげに私を見る。……流石にやりすぎた？？私は彼に近づき手を取る。うん、いけるいける。おばけに絡まれるよりマシ!!
「俺はそのつもりだったから別に良いけど……本気？？」
そらるは私を壁際に追い詰めた。これは俗にいう"壁ドン"というやつでは？彼は、というと意地悪そうにこっちの目に合わせてこない。
「な、なにいきなり……！！」
『本気だけど？？』
そう、本気。私は絶対この嘘を乗り切ってみせる。
「……分かったよ、よろしく。それで……名前何だっけ？」
『Aよ！！』
何で告白するやつの名前覚えてないんだよ！！いや、さっき呼んでたし……秒で忘れられた？？？
あのテスト前にむりやり詰め込んだパターン？？
「へぇ……じゃあ、"A"呼びでいい？俺はそらるでいいから。後その喋り方やめよ？」
『分かった、もちろん』
私はにっこりと微笑んだ。
「……で、さっきの話に戻るけど。Aは何してたの？」
『あーあれは……』
幽霊追っ払おうとしてました〜なんて言えやしない。私は適当に誤魔化した。
『一言で言うと悪の敵(おばけ)がやってきたの。だから闇の書(祓い道具)で追っ払おうと思って！！』
「俺、変な人に手つけちゃったかな……」
『そう、その名は虫！！蚊！！私は人より刺されやすいの！世界で１番人を殺しているのは蚊！！』
「……へぇ、そうなんだ〜。」
うん、良い感じに引かれてる。上手く誤魔化せたとは思うけど、何でだろう。心が痛い。
「まあいいや。」
『それで私は何をすればいいの？手くらいなら……』
「気づいてると思うけど、俺別にAのこと好きじゃないんだよね」
今さらっと酷いこと言われた気がするんだけど…… てか今さら？？ 私が戸惑っていると彼は話を続けた。
「モテるじゃん、俺。でも飽きたんだよね。みんなと関わるの」
衝撃の一言なのですが……え、それってつまり……モテすぎて面倒くさくなったということ？？？
なんとなく、察していたけど。
「だからさ、Aは人前でいちゃいちゃするだけでいいから……ね？」
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作者名：小鳥 | 作成日時：2023年7月9日 15時
