~君は本当に凄い人~ ページ12
『はぁ〜……自分の部屋最高〜』
緊張が解けたせいか、一気に疲れが襲ってきた。約束の時間まではまだ5時間もある。いや、長っ。
『……コンビニスイーツ買いに行くか』
朝3時に起きた自分へのご褒美！
私は近くのコンビニへ向かった。
『いらっしゃいませー！』
元気の良い店員さんの声が店内中に響き渡る。
『……あった！』
私は目的の新商品を手に取ろうとした。しかし、横から手が伸びてきてそのお菓子を取ってしまった。
『あっ……』
「すみません！僕の方が後だったので！お返しします！」
その男子は爽やかな笑顔を浮かべながら謝った。……何故か見覚えがあるような。
『いえ、大丈夫ですよ』
その男は再びにっこりと微笑んだ。そして、レジの方へと向かって行った。……なんだろうこの気持ち。すごくモヤモヤする。
「あ！！」
彼はそう言うと私の方に振り返って近寄って来た。そして、目の前に立つと再び微笑んだ。
「祓川さんですよね？」
『そうですけど……』
「あの！その、決して！！怪しいものじゃないです！！！」
首をフリフリしながら話すその姿は、どうにもこうにも怪しいんだけどなぁ。
ま「僕はまふまふと言います。そらるさんの一学年下。そらるさんの友達です」
『そらるの……？』
ま「はい、彼女さんで合ってますか？？』
『それがどうかしましたか？？』
ま「いや、別に……ただの確認というか……」
『えぇ？？』
ま「……いや、なんでもないです！それより、祓川さんは何を買いに来たんですか？？」
『えっと……これ』
私は手に持っていたチョコを指差した。
ま「あ、これそらるさんが好きなやつだ。そらるさんに買ってあげたんですか？」
『へー、そうなんだ』
ま「でもでもその種類は嫌いだって言ってたな〜」
『……？』
ま「あ、ごめんなさい。つい余計なこと言っちゃいましたね」
『私が食べるだけなんだけど？？』
ま「え！？そうなのですか？？てっきりそらるさんにあげるのかと」
『……まぁいいや、まふまふさんさよなら』
ま「あ、ちょっと待ってくださいよ〜」
彼は私を追いかけてきた。
ま「あの！！そらるさんと付き合っているって本当なのでしょうか」
『……』
ま「もし、そうなら……諦めないといけなくて」
『何、言ってるの？？』
ま「だから、あの、つまり……好きってことなんだけど」
『え？？……えぇえええええええ！！！』
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作者名：小鳥 | 作成日時：2023年7月9日 15時
