ウソつき偽物カップル、討伐を命ずる【utit】【srr】【AtR】 (ページ2)

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私は校舎裏に場所を移した。新品の茶色の革靴が冬のブーツみたいにもこもこになって真っ黒。ついでに手にもくっついてきた。これじゃあ鞄の中の祓い道具出せないんだけどなぁ。

どーしようか迷って下ばかり見ていて油断した。

「何やってんの？」
『え？……別に何も』
「へぇ……」

百華さんは私を見下ろして何かを考えるような素振りを見せたあと、しゃがみこんで私の顔を見た。

そして、私の軽く手を握る。……えっ、なになになに！？心臓がばくばくしている。これはいきなり掴まれているからであって、恋とかじゃなくて、って言い訳にしかならないか。

握られた瞬間カサカサカサ、とおばけたちは一瞬にして逃げていった。
なんで。普通の人には何も怒らないはずなのに。全身から冷や汗が出る感覚に襲われた。

「……あのさ話聞いてる？？大丈夫？」
『ごめん、聞いてなかった……』
「ふぅん……」

興味なさそうに返事をした彼はおもむろに立ち上がって歩き出した。それに着いて行くように私も立ち上がる。

「Aちゃん、付き合わない？」

…………はい？
『今なんて、』

「だから、付き合おうって言ってんの」

『どこに？』
「ちげーよ！ばか！」

付き合うの意味くらい知ってるわ！！と声を荒げる彼はどこか楽しそうだ。
冗談なのか本気なのか分からない。だけど、この人は危ない気がする。
直感的にそう思った。

「俺は本気でお前が好きだよ『うそつきさん』
私は彼の言葉を遮るように言った。