少しの希望も裏切りも ページ9
それでも少しの希望を見つけた気がする。私は積極的に戻りたいわけじゃないけど、あらきさんの成果がほんのちょっとでも報われるといいな。
『あの、』
バリンッ!!!!
ガラスが割れる音が聞こえて。
急すぎて何がなんだか分からなかった。
『え、なに!?』
『あらきさん……』
あ「見に行きましょう」
廊下に出ると、窓ガラスは粉々に砕け散っていた。
あっちは……めいちゃんの部屋だ。
『いない……』
あ「なるせもいなかった」
『後は……リビング?』
あ「うん、行こう」
私たちは急いで部屋に向かった。
すると、なるせちゃんとめいちゃんは部屋の真ん中で膝を抱えて座っていた。
な「あらきさん!!」
め「Aも……さっき急に誰かが!!」
大きな影が写り、見たことのない人……ヴァンパイア??
青髪と白髪で身長の高い男の人がいた。
め「……だれ?」
な「あらきさん、この人たち、知ってる……?」
めいちゃんもなるせちゃんも怯えている。
でも無理もないと思う。
だって、いきなり知らない人が目の前にいたら怖いに決まってる。
私は怖くてあらきさんの後ろに立って震えていた。
あ「遅いですよ、このまま忘れられちゃうかと思ってました。まふまふさん、そらるさん」
あ、あらきさん……?? 私は困惑した。
いつも通りの優しい声、顔。
なのに言っていることが、違う。
め「ぇ……」
な「なんのことだよ!!」
めいちゃんとあらきさんの質問に答えたのは、あらきさんではなく、2人の男だった。
「姫様!!!!」
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作者名:小鳥 | 作成日時:2023年3月21日 13時