何もしなかった自分 ページ30
Aと別れたあの日。あらきさんとなるせは俺を引っ張って人間界に帰らせた。二人は早々に屋敷を出ちゃったけど俺は1人であれから一歩も動かず、床に座ってた……だって、いきなりすぎてよく分からなくて。そしたらいつの間にか寝てしまったみたいで、朝起きたらとんでもない光が体を刺してきた。でも自然と痛くなかった。
"願い事は叶えられた"それだけ分かった。それから数時間後、2人は当たり前に帰って来なくてその代わり別の客人が来た。
s「あれ、めいちゃんも外出なくていいの?」
め「げっ……そらるさん……?」
最悪だ。この人と2人だけは嫌だ。
いつの間に入って来たんだ??
まふまふさんともまあ嫌だけど、この人何考えてるか分かんないんだもん。
そ「げっ、ってひどいなぁ。そういえば、さっきAさんから聞いたんだけど」
め「え、何をですか?」
そ「Aさん、本当は帰りたいって言ってたよ」
め「……は?」
一瞬、理解できなかった。この人が何言ってるのか。
そ「だから、帰りたいんだって」
め「……なんで、Aはここの姫に自分からなったんですよ。なのに……」
そ「いやいや、元々自分の意思で来たわけじゃないのにね、可哀想だね」
め「嫌味ですか……」
俺はそらるさんをジッと睨みつける。すると、彼は首を横に振った。
そ「違うって、ただAさんの気持ちが分かるだけ」
め「なんであなたにそんなことが分かるんですか」
そ「俺も同じ立場だったから」
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作者名:小鳥 | 作成日時:2023年3月21日 13時