【図書館戦争】今日も会いに行きます (ページ4)

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昼食を済ませ、食後のデザートが届いても全く会話が途切れなかった。

むしろ盛り上がっていて止め時が分からないほどだ。

「私かなり人見知りで図書館の人に声かけられなくて、表示を見ながら本を探してたんだけど、たまたま声をかけてくれたのが堂上さんなの。最初のころは堂上さんくらいしか話せなくて、姿見つけてはレファレンスお願いしてたんだけど、それを知ってた人が私を見つけると堂上さんを呼んでくれるようになったんです」

「そうだったんだ。今はもう平気？」

「うん、もう平気です。だから今でもわざわざ呼んでくれるのが少し申し訳ないっていうか……」

堂上さんと話せるのが嬉しいと思う反面、仕事を中断させてしまうのが申し訳ない。

それが仕事だと言われればそれまでだが、わざわざ中断させてまで話したいとは思わない。

なんて都合いいことを言っているのは自分でも分かっているけれど。

「あんまり気にしなくていいと思うよ？堂上教官、呼ばれなくてもAちゃんいたら自分から向かっていくよ。ね？」

「そうよ。あの人が好きでやってるんだから、気にしなくていいの。遠慮せずに来ていいわよ」

「ん、ありがとうございます」

そう言われると少し安心してしまう。

もちろん今まで通りのお付き合いをするつもりだが。

会話がひと段落したところで運ばれたケーキに舌鼓を打つ。

それからは私と堂上さんのことを聞かれたのだけれど、名前と第一図書館で働いていることしか知らないと言えばとても驚かれた。

会話といってもほとんど私が話すばかりで、あの人は相槌を打ったり質問をするだけ。

別にそれで困ったことはないし気にしたこともなかったのだが、二人はなんだか微妙な表情を浮かべている。

「……Aちゃん、これ私のアドレスだから。何かあったらいつでも連絡してね。もちろん何もなくても連絡してくれると嬉しいな」

「あたしのも渡しておくわ。堂上教官との仲が進展したらいつでも連絡して」

「いやぁ、進展することはないと思いますけど。でも、ありがとうございます」

笠原さんと違って柴崎さんは面白がっているのだろうけれど、それはそれで嬉しくて貰った名刺を手帳に挟んだ。

そろそろ店を出ようとそれぞれ会計を済ませ店を出た。

ここで二人とはお別れ。

私は家に帰るため来た道を戻っていく。

その足取りは非常に軽く、スキップをしそうな勢いだったことは私しか知らない。