【図書館戦争】今日も会いに行きます (ページ2)

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「ああ、今日も来たの？堂上教官、呼んでくるわね」

「あ、あの、今日は……」

私が来たことを知ると、どの人も堂上さんを呼びに行く。

別にどの人でもよかったのだが向こう側では私と堂上さんはセットになっていて、暗黙の了解のようになっているらしい。

それを有難いと思い始めたのはいつだっただろう。

「ごめんなさい、この前借りた本を返しに来ただけなのに」

「いや、構わない。課題は落ち着いたのか？」

「そうですね、急ぎの課題は出したのでちょっと休憩です」

配架中だった堂上さんと少し話をした。

学校はどうだとか、個人的に本は読むのかとかそんな話ばかりだけれど、それが楽しくて、楽しくて。

気づけば帰る時間だ。

さすがに土日も図書館へ行くなんてできないから次に会えるのは火曜日か。

「じゃあ、そろそろ失礼します」

「ああ、気をつけて帰れよ」

「はい、さよなら」

今日は何も借りず家へと帰った。

早く火曜日にならないかと願いながら夕飯を食べるのだった。

＊＊＊＊

翌日、友人と駅で待ち合わせをして出かけることになっていた。

しかし時間になっても友人は姿を現さない。

電話を掛けてみると、寝坊して家出るまであと一時間はかかるという。

「いや、もう今日はいいよ。また改めて。ね？」

できるだけ穏やかに言ったつもりだが、心の中は負の感情でいっぱい。

待ち合わせ時間に来ないのは今に始まったことではなく、昔からそうなのだ。

許されるなら目の前のガラスに鞄を突っ込んで割りたいくらいには怒っている。

しかし、どうしても嫌いにはなれないのが悩みどころだ。

まあそれはともかくこのまま帰るのも勿体ないし適当にぶらつくとするか。

ここら辺にカフェ的なところはないかと歩き出す。

５分も歩いていないところに古風なカフェを見つけさっそくドアを開けた。

「いらっしゃいませー。お好きな席へどうぞ」

美人なお姉さんに迎えられ、窓際の席へと座った。

メニューを開いてすぐ目に付いたオムライスとデザートのセットを頼んで、目線を窓の外を行き交う人々に移す。

休日は女の子同士やカップルがよく目に付く。

たまたま見ていた女子二人のうちショートカットの子が突然声を上げた。

「あっ！」

誰かは知らないが突然立ち止まって叫ぶなんて周りの迷惑だろうに。

偶然目撃してしまったそれに目を奪われていると、その突然叫んだ女性はこの店を指差している。

きっとこの店を目当てにしてたんだろう。