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昼間、昔の話をしたせいか思い出してなかなか眠れない
とりあえずラム酒とグラスを持って甲板へ
近くにあった樽にそれらを置き、軽くストレッチ
そして壁向って走り込んで……
『……っ、できた』
寝起きのスペシャルな技
最近やってなかったから体が鈍ってると思ってたけど
ピーター「………ファンシー?」
『……あぁ、ピーターか』
上の見張り台を見上げれば、いつものようにニッと笑うピーター
寂しかったのか見張り台から降りてきて私のところへやってくる
樽に置いていたラム酒を見て全てを悟ったらしい
ピーター「何かあったのか?」
『いーや?ただ…』
ピーター「……ん?」
『あたしはバカだなって。復讐のだめだけに海賊やってんなんてバカみたいでしょ。復讐したところで父さんたちは帰ってこない……あの時、殺してもらえば良かったかな』
ピーター「俺、お前が死んだら嫌だからな!」
『死なないよ。家族を殺したやつを刺し違えるまでは』
ピーター「………だったらファンシーは死なねぇな」
ピーターは真っ暗な海の向こうを見つめてそう答えた
その横顔は強い覚悟を持っていて本当にカッコいい
ピーター「お前には絶対に殺させない。お前の手を復讐なんかで汚れさせねぇよ」
『本当かい?あたしを止めれるの?』
ピーター「お前が殺る前に俺が殺してやる。過去を含めたその人を愛する。それが仲間ってもんだろ?」
『カッコいいこと言っちゃって。でも……ありがとう』
ピーター「俺を誰だと思ってんだ!……よし、もう寝な。寝坊するとチップにバカにされるぞ」
『そうだな。おやすみ』
ピーター「おう!」
星がキラキラと瞬く夜の海
今ならよく眠れる気がするよ
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作者名:ファンシー | 作成日時:2018年12月1日 12時