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「……、シー!ファンシー!ファンシー!!」



あたしの呼ぶ声が聞こえてゆっくりと目を開けた

1番最初に見えたのは見慣れた天井

そして……



チップ「ファンシー!!(泣)」

シャシャ「うぅぅぅ…ファンシー!(泣)」

ピーター「……ファンシー」



泣き叫ぶチップとシャシャ

涙を流しながら安心したように笑ったピーター

チップの涙を拭おうと手を伸ばせば

あたしの手を握り「生きてる…生きてる…」とまた泣く



『本当、泣き虫だなぁ…』

シャシャ「誰のせいだと思ってんだ!?(泣)」



今回ばかりは迷惑かけっぱなしだな

あんな目の前で血を吐かれたらあたしでもパニックになるよ

特にチップは1度家族が死んでいくのを目の当たりにしてる訳だから

きっと怖かったに違いない



『ごめん…』



怖い思いをさせてごめん

迷惑かけてごめん

色んな思いのごめんがこの部屋に木霊した
























トリック「どうだ調子は?」



夕方になり、宝探しに出ていたトリックが医務室にやってきた

いつものようにコインを弄りながらヘラッと笑う

相変わらず、何考えてるか分からない……



『今回は相手が悪かった。ちっさい頃から可愛がってくれた人だったから、ついつい信用してしまったんだよ。さすがにあたしじゃ手が出せない』

トリック「そう思って……」



そう言って腰にあるホルスターから取り出した銃

見覚えのある形と色

そしてグリップには王家の紋章



『いつの間に……』

トリック「さぁな…」

『…まさか、それで?』

トリック「そのまさかだ。海賊に手を出したアイツが悪い。それがどこの誰であろうと殺す。それが海賊ってもんだ」



トリックの手から銃を受け取ると微かに鉄の匂いがする

あたしの不注意でまた彼の手を汚してしまった

掛ける言葉が無くなり手元を見つめていると頭に大きな手が乗った



トリック「今回ばかりは俺も止めに入れなかったからなぁ。まぁ、お互い様ってとこだな…あ、早く治さねぇとジュジュビエーヌやらガキンチョ達がうるさいからよぉ」



「ゆっくり休めよ〜」と手を広げトリックは出ていった

相変わらず掴めない人……







ラビット「その人もルチアだと分かってたら手を出さなかっただろうに…」

トリック「いや、分かってたぜ。アイツの娘はあの時に海賊に殺されてるからよぉ。裏切られたと思って許せなかったんじゃねぇのか?」

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作者名:ファンシー | 作成日時:2018年12月1日 12時

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