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ゴールドや先輩海賊達がファンシーの救護に向かい、いつの間にか食堂は俺と
チップ「……ピーター。ファンシー、死んじゃうのか?」
シャシャ「ッ!あたいは嫌だよ!!ファンシーが居ないと、あたいは…!!(泣)」
目にいっぱい涙を溜めて俺を見るチップと「嫌だ」と泣き叫ぶシャシャの3人だけ
俺にはチップの質問に答えることもシャシャに寄り添ってあげることもできない
アイツの容態が分からない以上、下手なことを言って傷つけたくない
だから俺は床に散らばる赤黒い水溜りを無言で見つめることしかできなかった
ピーター「……誰がアイツを……」
?「…相手は、アイツと同じ町出身の漁師だ」
チップ「…トリック!!いつの間に!?」
シャシャ「それよりもファンシーが!!」
フラッと現れたのはトリック
いつものようにヘラッと笑い犯人を答えると血の水溜りの前にしゃがみこむ
眉を顰め「やっぱりな……」と呟いて俺を見上げた
トリック「…これ、アイツが?」
ピーター「うん……やっぱりって?」
トリック「あの漁師が結構大量に毒を盛ってたのを見たからなァ。まぁ、予想通りってわけだ」
チップ「知ってたらなんで言わなかったんだ!!」
トリック「俺もちょうど手を離せなかった。それにアイツも知らねぇヤツからグラスを受け取ったのが悪りぃんだ。お互い様だろ?」
そう言って立ち上がり厨房の中へ消えていった
トリックの考えも一理ある。でも毒盛りをした漁師さえ居なければアイツは生と死の間で苦しまずにいつものように笑い合う日常があったはず
シャシャ「ファンシー殺そうしたヤツどこに居るんだ!?」
トリック「…それを聞いてどうするつもりだ?」
シャシャ「ファンシーとおんなじ目に合わせてやるのさ!!この苦しみが分かるかって!」
トリック「……心配すんな。そいつにはちゃーんと会えるさ。俺らが死んだらな?そん時にその苦しみを味あわせて上げりゃあいい」
不敵な笑みを浮かべそう話すと「そろそろアイツ起きるんじゃねぇか?」と聞いてくる
それを聞いて医務室に走っていったチップとシャシャ
2人の後に続いて行こうとトリックの横を通った瞬間、微かに香った鉄の匂い
愛しい彼女の仇を討ったのは、彼女を最愛する男
不敵な笑みを浮かべ男はまた、引き金を引く
全ては愛する者を守るため
「死んでもらおうか、なァ?」
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作者名:ファンシー | 作成日時:2018年12月1日 12時