蒼い女海賊

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ﾄﾘｯｸ「そこ、煩いぞ。そしてラビットは手伝え」

ﾗﾋﾞｯﾄ「あ、バレた？(笑)」



ワイワイギャーギャーと煩い厨房を見て自然と口角が上がる

そういえば昔もこんなに賑やかだったな

ふと横から視線を感じ隣を見ればジーッとあたしを見つめるピーター



『なんだい？』

ﾋﾟｰﾀｰ「いや、懐かしそうな目で見てたから……やっぱり過去に戻りたい？」

『…どうだろう。やっぱり家族が恋しい時もあるけど、こんなに素敵な仲間に出会ったら過去に戻ろうなんて思わないね』

ﾋﾟｰﾀｰ「………」

『いつも元気なチップとシャシャがいて、お調子者のラビットがいて、ジャン爺、マンマ、チャン・ウーがいて、憧れのゴールド、カッテーナがいて、いつも綺麗なロレッタとジュジュビがいて…ふふっ(笑)トリックがいて、なんでも話せるピーターがいて……こんな素敵な大好きな仲間といる毎日が当たり前になったら、もう元に戻ろうなんて思わないだろ？』



いつの間にか周りはシーンと静かになっていた

シャシャ達は目にいっぱい涙を溜めて駆け寄ってくる

そしてギュッと抱きしめてくれた



ｼｬｼｬ「あたいもファンシーのことが大好きさ！ファンシーはこの世で1番のあたいのご主人様だよ」

ﾁｯﾌﾟ「オイラもファンシーのことが大大大好きだ！」

『なんだい？急に……でも、ありがとな』

ﾁｯﾌﾟ「これからもずっと一緒だ！」

『……そうだな』



本当はピーターは気づいていたのかもしれない

心のどこかで「戻りたい」と思ってたことに

でも、もう大丈夫

あたしはちゃんと「今」を生きるよ

この命を使い果たすまで、仲間たちと大海原で……

そして命が終わるときにまた

「みんなに出会えてよかった」と思える人生になるように



ﾄﾘｯｸ「(…さすがだな、ファンシー)」

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