偽陽気なピエロは今日も素を出さない【仁王雅治】

偽り日常　１９日目 ページ29

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…やめてくれ美凪


俺はおまんと笠峰、キリアの間に何があったのかは知らん


だけどな 俺だってペテン師じゃ


演技を見破るくらい容易いことぜよ


のぅ、何でそんなに苦しそうなんじゃ？


表情を見る限り おまんは笠峰が好きだったんじゃろう


“初対面だよね？”


やめとくれそんな嘘をつくんは


俺かておまんが好きなんじゃ


突然素を見せたり 見せなくなったと思えば


一人で苦しむ


じゃから


おまんがそんな辛そうな顔をすると


俺の心だって痛むぜよ


なぁ美凪


俺じゃダメなんか？


仁王Site終了


……はぁ


『先生、気分が悪いんで保健室に行って来てもいいですか？』


先生「大丈夫？いってらっしゃい」


『はい((ﾆｺｯ』


〜保健室〜


シャッ


先生がいないからベットを借りてカーテンをしめる


寝転がって天井を見上げても私の心の闇はまだ晴れない


ガラッ


！誰か来た


寝たふりしとこう


キリア「どういうこと？アイツ」


ジュン「…知んねーよ」


！！


……何でよりによって…ｯ


キリア「てゆーかいないじゃない。理由でも聞こうと思ったのに。ん？」


シャッ！


ジュン「！A……寝てるな」


キリア「ﾁｯ…ほんと、意味が分からないわ。笑ったり黙ったりと忙しい奴ね」


ジュン「………前のアイツは今よりも笑ってなかった。笑う時は心から素で笑ってたんだ。なのに今は…心の底から面白くもないのにニコニコして、どんな暴言を吐かれても一切表情が変わんねぇ」


キリア「…まるでピエロみたいね」


……ピエロ、ね


確かにその表し方は合ってる


だけどさ


ジュン「…なあキリア。俺が誘拐てきなのされてお前ん家にいた時、コイツどーなってた？」


キリア「監視カメラだとずっとうずくまってたわよ。父も殺すわけがないのに真に受けちゃって…」


ジュン「おじさんもどこか他の国に移っただけだよな……何でそこまでする必要があったんだ？」


キリア「小さい頃に少し恨みがあっただけよ。きっと美凪はもう覚えてないでしょうけどね。あなたにも興味なんて無いわ。ただ美凪があなたを好きだったから遊び半分で奪ってみただけ、よ」


ジュン「こいつがもう戻らなくなったらどうするんだ？」


キリア「あなたにとって今こいつは大切な存在でもないでしょう？関係ないわ」


ジュン「…そうだな」


……人が寝てると思ってそんなにホイホイ言っていいものなの？


我慢の限界


『…ありがとう。教えてくれて』

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