文房具が擬人化した件について。

鉛筆 ページ1

うん。とりあえず一回落ち着こう。
朝来て、友達にシャーペン貸した時は普通だった。
１時間目の国語も普通だったはず。
２時間目の数学だって普通だった。
３時間目の英語だって、４時間目の社会も。

で、給食食べて５時間目に突入したわけだ。

５時間目は美術。下絵を描くために鉛筆探したら無くて、探してたら机の中から声がしたんだよ。
「おーい！ここだよー！」って。
で、覗き込んだら…

この子がいた。
え、なんか動いたんだけど。
何このぴょこぴょこ動く生物。
手のひらサイズだし。
見た目人間なんだけど。
どゆこと？

「ちょっと？聞こえてます？」
「ひっ！」

また喋ったよこの子。
何だ何だ、何なんだ。
そうだ、きっと疲れてるんだ。
疲れてる時って怖いな。うん。

「そんなことより鉛筆…。」

「だからここだってば！」

「え。」

「どうしたんですか？志水さん。」

先生が来た。
おぅ、救世主。

「いや、鉛筆が無くて…。」

「だからここだってばぁ…。」

「あるじゃないですか。」

「はい？」

先生が指さした先には、あの女の子。

「ねっ？だから言ったでしょ？」


「えーと、どうゆうことでしょう…？」

今は休み時間。
５時間目はもう一本の使いにくい鉛筆で乗り切った。
美術１かな…って絵が出来上がる気がする。

そして今、あの人形みたいな自称鉛筆と話をしてる。
いやね！私も馬鹿らしいと思うよ！？
なにこいつ、妖精！？妖精なの！？

そんなこと考える時点でもう終わってるのもわかってるよ！でも、この状態目の当たりにしてみな？みんなそうなるからさ！

「だからね、わたしは、いっつも君が使ってる鉛筆なんだってば！」

「いや、どこからどう見ても鉛筆じゃないでしょ。」

「なんか、今日君がこの教室に着いてからこうなったんだよ！」

「はい？」

「とにかく！わたしは鉛筆！
君とお話しできて嬉しいよ！あなたは？」

あぁ、もう私ダメかもしれない。
もともと頭のいい方ではないけど私の頭では収拾がつかない。

「志水楓。」

「そっか！これから、というか、これからもよろしくね！」

「あ、はい。」

もういい、どうにでもなれ。

その後。→

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