欠けた月の残りを探して

仕返し ページ17

パチと目が覚める

目の前にはムカつくくらいイケメンな奴がいた


『……はよ』

「あぁ……おはよ」


そっか、昨日は嫌がらせをされて寝たんだっけ

目覚めは最悪だ

ふと視線を感じてソイツの顔を見るとこっちをガン見してた


『え、何。どうしたの？』

「寝起きの顔は最悪だな」

『死ね。メシに何か入れられたいのか』

「冗談だ」


洗面所に向かい、顔を洗って歯磨きをする


『あ、朝ご飯だけど食パンだけで足りる？足りなければなんか作るけど』

「いや、パンだけでいい」

『そっか』


パン１枚を取り出してトースターに入れる


「お前は喰わないのか？」

『あたし、朝ご飯は食べられないんだよね。食べるといつも吐いちゃうし』

「そうなのか」


パンが焼きあがって皿の上に乗せる

そして、冷蔵庫からマーガリンとジャムを出す


「すまないな」

『いいんだよ。だってソレ数ヶ月前に買ったヤツだから。腐ってなきゃいいけど』

「…………」

『じょーだんだよ、バカ』


さっきの仕返しだ


『今日は２時からバイト行くから。どっか外に行くならカギかけてってね。ほら」


予備用のカギを投げて渡す




(少し、信用しすぎかな？)

(でもちょっとだからいいよね)

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