命を頂戴 ページ39
「マチ様がお倒れになりました」
開口一番、女将はそう言った。その内容にあたしは額に青筋を浮かべる
「マチ様は今もお眠りになられております。どうやら不死石に命を封じ込められたようでございます」
『じゃあその石をぶっ壊せばいいんじゃないの？』
「いいえ。代わりにクロロ様の命の時間を頂戴したいと思うております」
『……どうやって』
急激に辺りの温度が上がった。Aの隣にいたクロロは思わず身体を仰け反らせる
Aの身体中から溢れるオーラが炎に変化して空気中で爆ぜた
『テメェをぶち殺せば終わる話だろーが』
「……その時はクロロ様もマチ様も死に至りますが」
『わかった。じゃあ今、能力を解除するならアンタのことは拷問しない。これでいいだろ？』
「この土地柄をお忘れですか？誰かに傷を負わせたら……」
『んなモン知ってるっての。それを踏まえた上で言ってるんだ』
クロロを庇うようにして彼の前に立った彼女は酷薄な笑みを浮かべた
『アンタが耐えられない痛みをあたしは耐えられる』
「では取引を致しましょう。……この際、あなた様の命でもいいです」
『あたしの？』
「ええ。あなた様の時間さえくだされば、クロロ様もマチ様も元に戻しましょう」
それならいいかもしれない、と思って返事をしようとした
しかし、その前に女将が前のめりになって倒れる
「オレの命もAの命もお前にやるわけないだろ。お前の命と、Aの命が釣り合うとでも思ったのか」
そのまま女将に馬乗りになり、クロロは彼女の首を絞めはじめた
『ダメだクロロ！そいつを殺したらクロロまで……』
その時、Aはとある異変に気が付いた
女将は既に意識を失っている。しかしクロロは苦し気に表情を歪ませているだけで、気絶はしていない
『クロロ、タンマ！』
倒れた女将に駆け寄り、ナイフを手の甲に突き付ける。即効性の麻痺毒が塗りつけてあるそれで、彼女の皮膚を破った
Aの手の甲の同じ場所にも傷が入る。女将は麻痺で手足ピン、と伸ばした
『……ビンゴ』
Aの身体に麻痺は起きない。それを確認した彼女は高らかに笑った
『あたしらの勝ちだ！！』
女将の身体を引きずり、部屋へと持っていく
フェイタン、と呟きながら彼女は笑い続けていたのだった
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！三年も書いていたんですね！このシリーズ大好きです！ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
rua - ちょ〜〜面白いです。 また新しい作品楽しみにしてます。 応援してます！ (2016年10月28日 15時) (レス) id: ce0d20423e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - アスカさん» とりあえずは完結させようと思っていたところまで物語を書き、そこから繋げて行こうと思っています (2016年4月25日 18時) (レス) id: e736e9b02c (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 夢主vs女が楽しみすぎる！！ところで、本誌の番外編と言うのは予定通り作品を完結させてから別枠で書くのか、作品に組み込ませて書くのか決まってましたら教えていただけますか？ (2016年4月25日 0時) (レス) id: 62f7d68aec (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - はははっw某戦略シュミレーションゲームのうちの初期刀と同じかーwそういやちゃんとした意味は調べたことないなー…まじかよ(何個か特徴当てはまる)…かもしれないです。カルト…！！(ノД`)°。 (2016年4月20日 23時) (レス) id: 97ccf20f00 (このIDを非表示/違反報告)
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