小さな子供の大きな狂気 ページ22
「Aに会え」
クラピカは部屋に入るとすぐさまにそう言った。クロロはそんな彼を訝し気に見つめる
「お前には関係ないだろう」
「……Aがやってきてな。“死なせてくれ”と言われたよ」
「は？」
「お前にいなくていい、と言われたから。死ななきゃいけないと。そう言ってた」
「Aは何処だ！！」
「部屋の入り口にいる」
クラピカを掻き分けようとしたクロロは足を引っかけられ、転びそうになる
そんなクロロの胸ぐらをクラピカは掴んだ
「もう二度とあの子にふざけたことは言うな。そう誓え」
「お前に誓う必要性は感じないが、そうしようとは思っている」
「Aはお前に命を懸けていると言ってるんだ！お前の安直な言動でいとも簡単に死んでしまう。それが、どんなに残酷なことか」
「……だから早めにオレから離れさせようと思っていたんだ」
「もう遅いんだよ。だから、お前もあの子に命を懸けろ」
「わかったからAのところに行かせろ！」
クラピカを腕づくで振りほどき、彼は部屋の前へと向かう
出口の襖のところにつまらなさそうに座っていたAを見つけたので声をかけようとした
『クロロ……！』
「A、ごめんな。あんなこと言ってごめんな」
微笑みながら頭を撫でてくるクロロの行動の意味が彼女にはわからなかった。小さい脳で精一杯、なぜ彼がこんなことをしているのかを考える」
『あ！』
「どうした」
『クロロ、あたしのこと死なせてくれる。クロロ、あたしのことキライ。キライがいなくなるから、クロロえがお？』
―――ああ、クラピカの言う通りだ。もう何もかもが遅い
この子は記憶をなくしているのにも関わらず、本能で、封印されている記憶の端を掴んで、オレに執着している
「お前は、死ななくていいんだ」
『クロロ、やさしい。むりしなくていいんだよ？』
「違うんだ。オレは、逃げているだけだった。お前を護れないのが怖いんだ」
２６歳になったオレはAのことを護れなかったという。それに酷く絶望したのだ
『あたしなんか、まもらなくていい』
「……それでも護らせてくれ」
意味がわかっていて、驚いているのか。それとも分かっていないからキョトンとした表情をしているのか
どちらにしろ、Aは年齢に相応しい顔をしていた。それがどうしようもなく嬉しい
「お前が死んだら、オレも堪らなく死にたくなるだろうから」
これが狂気なのだと、彼は自覚していた
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！三年も書いていたんですね！このシリーズ大好きです！ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
rua - ちょ〜〜面白いです。 また新しい作品楽しみにしてます。 応援してます！ (2016年10月28日 15時) (レス) id: ce0d20423e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - アスカさん» とりあえずは完結させようと思っていたところまで物語を書き、そこから繋げて行こうと思っています (2016年4月25日 18時) (レス) id: e736e9b02c (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 夢主vs女が楽しみすぎる！！ところで、本誌の番外編と言うのは予定通り作品を完結させてから別枠で書くのか、作品に組み込ませて書くのか決まってましたら教えていただけますか？ (2016年4月25日 0時) (レス) id: 62f7d68aec (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - はははっw某戦略シュミレーションゲームのうちの初期刀と同じかーwそういやちゃんとした意味は調べたことないなー…まじかよ(何個か特徴当てはまる)…かもしれないです。カルト…！！(ノД`)°。 (2016年4月20日 23時) (レス) id: 97ccf20f00 (このIDを非表示/違反報告)
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