忘れないで ページ3
『イルミ！アンタ、何やって……』
襖を壊す勢いで開けたA。そこには何故か穏やかな、でも相変わらずの無表情なイルミと呆気に取られたように棒立ちになっているミーナがいた
その後ろでは小刻みに震えながらもなんとか立っているレオリオがいる。こちらは大方イルミの殺気にでもやられたのだろう
「キルに会いに来たら倒れてるんだもん。少し驚いただけだよ」
『ミーナの能力？』
「うん。今、キルの夢の中にオレが出てきてるんだって」
それを聞いてすぐさまに理解した。コイツはキルアの中にまだ自分と言う存在が大きく在ることに喜びを感じているのだ
「……頭、おかしいんじゃないの」
ミーナが訝しむようにそう言った。イルミを睨み付けるようにして彼女はその目を鋭く尖らせている
「悪夢だって言ったよね、あたし。そこの銀髪の中でアンタの存在は一番忌むべきものってことなんだよ」
「それでも悪夢に出てくるくらいオレの存在は大きいんだよね」
「そうだけど、でも。嫌われてんだよ？憎まれてんだよ？なんで」
「なんでって言われても……」
少し考え込むように腕を組んだイルミは唐突に何かを思いついたらしく、人差し指をピンと立てる
「キミはAに憎まれながらも憶えられてることと、Aに完璧に忘れ去られてしまうこと。どっちがいい？」
その質問の真意がすぐさまにわかった。つまりはどんな形であれ、相手に自分のことを覚えていてもらえることが嬉しいのだ
それがたとえ憎しみという形でも
『ねぇ、なんでミーナはこんなことしてるの？喧嘩でも売られた』
「……上司さんに、解約の印を貰おうと思って。でも断られたから、判子押してくれるまでは悪夢を見させようと思ったの」
『なるほどね』
下手したら永遠に起きなさそうだな、と思いつつAはクラピカに歩み寄る
『早く目ェ覚ましなよ。じゃないとレオリオのこと殺しちゃうかも』
「無駄だよ。だって上司さんは眠ってて……」
声は聞こえない、と言いかけた。でもそれはすぐさまに言えなくなってしまう
クラピカがうっすらと瞼を開けた。額には汗が伝っており、心なしか苦しそうだ
「……判を押そう」
そして、徐にそう告げたのだった
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！三年も書いていたんですね！このシリーズ大好きです！ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
rua - ちょ〜〜面白いです。 また新しい作品楽しみにしてます。 応援してます！ (2016年10月28日 15時) (レス) id: ce0d20423e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - アスカさん» とりあえずは完結させようと思っていたところまで物語を書き、そこから繋げて行こうと思っています (2016年4月25日 18時) (レス) id: e736e9b02c (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 夢主vs女が楽しみすぎる！！ところで、本誌の番外編と言うのは予定通り作品を完結させてから別枠で書くのか、作品に組み込ませて書くのか決まってましたら教えていただけますか？ (2016年4月25日 0時) (レス) id: 62f7d68aec (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - はははっw某戦略シュミレーションゲームのうちの初期刀と同じかーwそういやちゃんとした意味は調べたことないなー…まじかよ(何個か特徴当てはまる)…かもしれないです。カルト…！！(ノД`)°。 (2016年4月20日 23時) (レス) id: 97ccf20f00 (このIDを非表示/違反報告)
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