キミがボクに出会っていたら ページ20
「あ、いた❤」
ヒソカは中庭に立っているクラピカを見つけた。Aを抱きかかえ、窓から飛び降りて彼の元へと行く
「……A！ヒソカ、Aを連れて何を」
「この子は今、とあることを望んでいるんだけどキミが適役じゃないかと思ってね♦」
ほら、言ってごらんとヒソカは促した。Aは頷いて恐る恐る言う
『あのね、あたし、死にたいの。でも、死にかたがわからないの』
クラピカはその昏さを一切感じられない瞳に戦慄した。この子は何を言っているのだ。なぜそんなことを言うんだ
恐れもなく恐怖もなく、人に「死なせてほしい」と言えるのは何故だ？この子はまだ、５歳くらいだろう？
『いなくていい、っていわれたの。だからいうこと きかなきゃ」
「……クロロがそう言ったのか」
『うん！』
だから死ぬの、と少女は言った。死の意味を理解しているのかどうかも不明だし、何よりどこか嬉しそうに見える
「ね？キミが適役だろう♠」
趣味の悪い笑みをヒソカは浮かべた。それを見るとどうにも殺意が沸いてくる
「断る。こんな小さな子供を殺す趣味はない」
「Aなのに？」
不意に彼の声が低くなった。そして嘲笑うかのように、どこか失望したように言う
「ずっと殺したがってたじゃないか……❤カゾクやトモダチを殺されちゃったから♠」
「でもこのAはまだ殺してない」
「時が戻ったわけじゃない♣いつかは元に戻るんだ♦」
その金色の瞳を細め、彼は告げる
「まさか情が移ったわけじゃないだろう？だってキミは子供になったクロロには殺気を飛ばしてた❤」
図星を突かれてしまったクラピカは口ごもる。反論など出来ないのだ
こんな気持ちは認められないし、今更許されるものでもない
Aを殺したくなんてない
なぜAはクロロと出会ってしまったんだろう。なぜ彼女が蜘蛛なのだろう
そう思ってしまったとき、ふと思いつく。とても汚らしくて自己愛に塗れた案を
Aとクロロが触った石。それをもう一度Aに触ってもらえばいい、なんて
「……残念だ❤」
ヒソカは至極つまらなさそうな顔をして行ってしまった。もちろんAは置き去りである
『ねぇ、死なせてくれるの？』
そう言って無邪気に笑ったAを見て、無性に泣きたくなってしまった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！三年も書いていたんですね！このシリーズ大好きです！ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
rua - ちょ〜〜面白いです。 また新しい作品楽しみにしてます。 応援してます！ (2016年10月28日 15時) (レス) id: ce0d20423e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - アスカさん» とりあえずは完結させようと思っていたところまで物語を書き、そこから繋げて行こうと思っています (2016年4月25日 18時) (レス) id: e736e9b02c (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 夢主vs女が楽しみすぎる！！ところで、本誌の番外編と言うのは予定通り作品を完結させてから別枠で書くのか、作品に組み込ませて書くのか決まってましたら教えていただけますか？ (2016年4月25日 0時) (レス) id: 62f7d68aec (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - はははっw某戦略シュミレーションゲームのうちの初期刀と同じかーwそういやちゃんとした意味は調べたことないなー…まじかよ(何個か特徴当てはまる)…かもしれないです。カルト…！！(ノД`)°。 (2016年4月20日 23時) (レス) id: 97ccf20f00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
