少しずつでいいんだ ページ16
翌日、目を覚ましたクロロはすぐさまに異変に気が付いた。隣にAがいないのだ
乱れている浴衣を直しもせずに廊下に飛びでる。一抹の希望を持ってゴン達のところへ走って向かった
「Aはいるか！」
襖を勢いよく開ければそこには昨日の青年……確か、クラピカと言ったか。彼がいた
「……奥の座敷でまだ寝ている。昨日、夜遅くに廊下を歩いていたから連れて来た」
「そうか」
どこか冷たいクラピカには目もくれず、奥へと向かう。彼の言う通りAはまだそこで眠っていた
「かわいいね」
「なんでこれがあの馬鹿女になるんだか」
そんなAを囲むようにしてゴンとキルアが座っていた。そんな彼らはオレの存在に気が付くと、静かに「おいで」と言って手を振ってきた
クロロが座ろうとした時、ちょうどAは目を覚ました。まだ寝ぼけているらしく、ウトウトとしている
『……おはよう』
――――まだ言葉を知らないはずのAがそう言った
「A！お前、思い出したのか」
実は一晩寝たらクロロは今より２年後の出来事を思い出していた。身体はさして成長していないようだが、記憶だけは元に戻りつつあるようだ
きっと寝るごとにいろんなことを思い出していく。今日のオレがそうだったように、Aにも同じことが起きてるんじゃないのか
『……だぁれ？』
しかし、予想に反して彼女はそう言った。落胆しつつも一つの疑問が浮かぶ
「お前、なんで喋れるんだ？」
『わかんない……』
「自分の名前は分かるか？」
『A？』
「そうだ。オレはクロロ。聞き覚えはないか？」
無言で首を振ったA。もしかしたらコイツは知識から先に思い出すのかもしれない、と気を取り直して思い込む
『すきなの』
唐突に少女はそう言った。いきなりのことに一同は首を傾げる
『クロロ、しらない。でも、すきなの』
「……そうか」
Aの柔らかい、でも虐待の度に引っ張られて傷んでしまったらしい髪の毛を梳く。首を竦めていたが、あのときのように無闇に避けたりはしないようだ
「一つ聞いていいか？」
「うん」
「どんな経緯でオレ達は子供に戻ったんだ？」
口ごもってしまったゴンを不思議に思いながら先を促す
「クロロ達はこの旅館にある宝を盗りに来たんだ」
「で、その宝を見つけたんだよ。お前らはそれを盗ろうとした」
嫌な予感がする。どうしてか聞きたくない
耳をどうしようもなく塞ぎたかった
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！三年も書いていたんですね！このシリーズ大好きです！ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
rua - ちょ〜〜面白いです。 また新しい作品楽しみにしてます。 応援してます！ (2016年10月28日 15時) (レス) id: ce0d20423e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - アスカさん» とりあえずは完結させようと思っていたところまで物語を書き、そこから繋げて行こうと思っています (2016年4月25日 18時) (レス) id: e736e9b02c (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 夢主vs女が楽しみすぎる！！ところで、本誌の番外編と言うのは予定通り作品を完結させてから別枠で書くのか、作品に組み込ませて書くのか決まってましたら教えていただけますか？ (2016年4月25日 0時) (レス) id: 62f7d68aec (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - はははっw某戦略シュミレーションゲームのうちの初期刀と同じかーwそういやちゃんとした意味は調べたことないなー…まじかよ(何個か特徴当てはまる)…かもしれないです。カルト…！！(ノД`)°。 (2016年4月20日 23時) (レス) id: 97ccf20f00 (このIDを非表示/違反報告)
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