母故に ページ45
「これはこれは、可愛らしい御子様たちで！」
私ツボネはそう言って思わず胸の前で手を組んでしまいました。まだ毒にも電気にも堪えられぬ、無防備なその双子は今は手をお繋ぎになって眠られております。
銀髪の御子はA様。黒髪の御子はイルミ様。愛しい主人たちの名前は直ぐに覚えてしまいました。
時にA様が男の子だったならば、と揶揄する声が聞こえることがありますがとんでもない！このお可愛らしい寝顔を見てからそんなことを言いなさい！
「ではツボネ。キキョウの体調が安定するまで子供を頼んだぞ」
「この命かけてもお守り致します」
お屋敷さまはそう程なくして仕事のために飛行船で遠い国へと発ってしまった。産まれて間もない子にゆっくりと寄り添えもしないだなんて、暗殺も気の毒な商売なのかもしれない。
部屋の温度は寒くないか、丁度いいか。湿度は？乾燥で肌が破けてはいけないからね。明かりは眩しすぎやしないか？
ありとあらゆる要素を確認して御子さまたちが決して不愉快になることはないような環境にその場を整える。
その時、ふぇとどちらかが泣き出すような声が聞こえた。急いでベッドに駆け寄ればイルミ様がぐずっている。
お腹が空いたのか、と思って哺乳瓶とミルクの用意をしようとした。しかしその必要はないことにすぐさま気がつく。
A様がイルミ様とそう変わらぬ小さなおててでイルミのおててを握っていた。いや、握るとも言えないほど弱々しいものだ。
けれども、A様はまだ完全には開いていないその瞳でイルミ様を見つめ、一生懸命に片割れをあやしていらっしゃるのだ。
イルミ様もそんな片割れの存在に安心したのか、すぐにぐずるのをやめて下さる。もうこの二人は既に隣で寝ているのがどんな存在なのか分かりきっているのだと知って愛おしくなった。
「ツボネ……！今、泣き声が。子供は？私の子供は……」
「奥さま！まだ動いてはいけませんことよ」
「いいえ、私は母です！母なのよ！」
産後の肥立ちが悪く、あまり動いてはいけないキキョウ様がベッドに駆け寄る。いつの間にか眠っていた双子たちを確認すると安心したのかその場に崩れ落ちてしまった。
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だいふくさん(プロフ) - 展開、夢主ちゃんの念能力の設定とても凝っていて凄いなと思いました。クロロの頭目らしい余裕ある思考や振る舞い、フェイタンの少し不器用なところがたまらんです。イチゴさんの文章がとても好きです（語彙力無くて上手く表せないのですが）。これからも応援しています (2019年1月31日 21時) (
レス) id: e941665527 (このIDを非表示/違反報告)
コンパイルエラー(プロフ) - 続きが早く読みたい！ (2019年1月21日 14時) (レス) id: 8e7827f170 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 楽しみに待ってます！ (2018年10月21日 19時) (レス) id: 2f8f38bf2c (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 続編、それも原作沿いとわかり、狂喜乱舞しております。主の性格も、回りとの関係性も大好きなのでとても嬉しいです。3月４月？勿論待ちますとも。イルミとクロロとの会話でニヤニヤしました。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 復帰楽しみに待ってます。イチゴさんの作品は全部好きで読ませてもらってます。この作品も大好きです。続きが読める日を楽しみに待ってます！ (2018年10月7日 14時) (レス) id: 2f4db1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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