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『こちらA。報告しろ』
「こちらクロロ。敵はＢ地区を捜索中」
『了解。敵に悟られないよう引き続き見張りを頼む』
トランシーバーでの通信が切られた。
クロロは今、時計台の展望台にて身を潜めつつ敵情視察中だ。案外にこれは盲点らしく、まだ気づかれていない様だ。
一方こちらはそんなクロロからの情報を元に敵に見つからぬよう移動をしている。これをし始めてから早一週間。順調と言えるだろう。
『フェイタン、腹ごしらえは』
「十分。お前は食いすぎるなね。肥えて動きにくくなても知らないよ」
『この鍛え抜かれた身体が見えぬか皿目め！』
とまあ、お互いに軽口は叩けるくらいには余裕だ。
三十分後、再びクロロから通信が入る。
「こちらクロロ。潮時だ。奴ら、この展望台に向かってきている」
『見つからずに逃走を図れ。Ｇ地区２５番で待つ。万が一敵と接触してしまった場合は真っ先にトランシーバーを破壊しろ。そうすればこちらに緊急連絡が入るようになっている』
「了解」
Aはじっとトランシーバーを見つめた。そして軽く息を吐き、オーラを静かに滾らせた。
『あと一週間だ。一週間逃げ切れば、何もかも終わる』
それは。それは、お前にとって良いことなのか。その質問が出かかったが、喉の奥に押し込む。
もしこれが無事に終わってこいつが家族とはもう縁が切れたとして。何の関係がある。家族を知らない自分が何を言える。
大丈夫だ。また、あの静謐な血塗れの日々に。路地裏で人をなんとなく殺すような、暗い日々に戻るだけ。いいじゃないか。元々騒がしいのは好きじゃない。
そう、こんなことに協力してやっているのは命の手綱を握られているからに他ならない。
『もしクロロが敵と接触したら応戦に行くぞ。さすがに死亡率が高すぎる』
「団長があの二人には劣る言うか」
『一人は暗殺のプロ、もう一人は何だかは知らないが戦闘センスは天才的だ。死なずとも無事でいられるとは思えん。それに君も私よりクロロの方を優先するだろう』
当たり前だ。こいつとクロロ、どちらの首を撥ねるかと問われたら問答無用でクロロを選ぶ。
『“恩返し”をさせているとは言え、そんなことになったら目覚めが悪い』
こいつは妙に義理堅い、悪く言えば甘いところがある。家への反抗の一部なのだろうが、裏世界ではいらぬ資質だ。
右腕の龍は未だ鎮座している。最初は憎々しかったはずのそれは、不思議なことに今やそんなに邪魔ではなかった。
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だいふくさん(プロフ) - 展開、夢主ちゃんの念能力の設定とても凝っていて凄いなと思いました。クロロの頭目らしい余裕ある思考や振る舞い、フェイタンの少し不器用なところがたまらんです。イチゴさんの文章がとても好きです（語彙力無くて上手く表せないのですが）。これからも応援しています (2019年1月31日 21時) (
レス) id: e941665527 (このIDを非表示/違反報告)
コンパイルエラー(プロフ) - 続きが早く読みたい！ (2019年1月21日 14時) (レス) id: 8e7827f170 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 楽しみに待ってます！ (2018年10月21日 19時) (レス) id: 2f8f38bf2c (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 続編、それも原作沿いとわかり、狂喜乱舞しております。主の性格も、回りとの関係性も大好きなのでとても嬉しいです。3月４月？勿論待ちますとも。イルミとクロロとの会話でニヤニヤしました。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 復帰楽しみに待ってます。イチゴさんの作品は全部好きで読ませてもらってます。この作品も大好きです。続きが読める日を楽しみに待ってます！ (2018年10月7日 14時) (レス) id: 2f4db1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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