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「妙だな」
ぽつり、とクロロがパソコンの液晶を見ながら呟いた。テーブルの上にあるカップからコーヒーが匂いとともに湯気を立てている。
「もう残り二週間だ。なのに仕掛けてくる様子がない」
諦めたはずはないだろう。そう言うと同意が返ってくる。
「だが、妙な動きが一切ない。というよりも、普通はあるはずの一般人らしきものすらないんだ」
「完全にこちに悟られないようにしてるね。いつ攻めてきてもおかしくないよ」
「ああ。案外もうこの街に侵入してるかもな」
「有りそうね」
あーだこーだと話しているとAが欠伸をしながら出てきた。よく寝た、と言いながら呑気にも伸びをしている。
『おはよう諸君！今日も陰鬱な面構えだ』
「何がおはようか。もう夕方よ」
『私が起きたら朝、私が寝たら夜。神と世界の関係性はそういうものだぞ。覚えておけ！』
マトモにツッコミを入れた自分が馬鹿だった。自分が言えたものではないが、こいつには最低限の一般常識もないらしい。
「A。自動車、飛行船、どれを見ても動きがない。嵐の前の静けさというやつだ」
『奴ら地面でも掘って地中を移動でもしてるんじゃないか？あのピエロは知らないがイルミの特技は変装と思い込みと穴掘りだ！』
「生き物として終わてるよ、そいつ」
悪口のつもりで言ったのだが、何をどう受け取ったのかAは誇らしげにそうだろうと頷く。
『……冗談ではなく、恐らく奴ら車にも乗らないで徒歩でこちらに向かってきているぞ。だとするとそろそろこの街に着く頃だ』
Aがふと真面目な顔をしてそう言った瞬間のことだった。
《住民及び観光客の方々へお知らせ致します。何者かにより、大規模爆発予告がされました。信憑性は極めて高く危険ですので直ちに役員の指示に従い、南地区Aゲートもしくは東地区Cゲートより飛行船にお乗り下さい。繰り返します……》
『宣戦布告、だな。奴らこの街の中で“鬼ごっこ”をするつもりだ』
「人々に乗じて抜けるという手もあるが」
『いや、避難用の飛行船は奴らの息がかかっているだろう。最悪操縦は執事たちだ。乗客チェックなんかされてみろ、私がいるとバレた瞬間に何十人が追いかけてくるか』
「下水道は」
『それこそ袋のネズミにされるぞ。地上に出たら黒服の怖い人達が沢山いました、じゃ笑えもしない！』
つまりは、だ。あと二週間。イルミとピエロ、プラス何人かは分からぬ執事相手に隠れなければきけないという事だ。
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だいふくさん(プロフ) - 展開、夢主ちゃんの念能力の設定とても凝っていて凄いなと思いました。クロロの頭目らしい余裕ある思考や振る舞い、フェイタンの少し不器用なところがたまらんです。イチゴさんの文章がとても好きです（語彙力無くて上手く表せないのですが）。これからも応援しています (2019年1月31日 21時) (
レス) id: e941665527 (このIDを非表示/違反報告)
コンパイルエラー(プロフ) - 続きが早く読みたい！ (2019年1月21日 14時) (レス) id: 8e7827f170 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 楽しみに待ってます！ (2018年10月21日 19時) (レス) id: 2f8f38bf2c (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 続編、それも原作沿いとわかり、狂喜乱舞しております。主の性格も、回りとの関係性も大好きなのでとても嬉しいです。3月４月？勿論待ちますとも。イルミとクロロとの会話でニヤニヤしました。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 復帰楽しみに待ってます。イチゴさんの作品は全部好きで読ませてもらってます。この作品も大好きです。続きが読める日を楽しみに待ってます！ (2018年10月7日 14時) (レス) id: 2f4db1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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