大好き ページ33
『こんな時まで嫌がらせかよ……』
「違う。本心だ」
『だってアンタ大学でもモテモテだったじゃんか！』
「それはオレが“物わかりのいい教育実習生”を演じたからだ。あとは顔がいいのもある」
『自分で言うなよ……』
思わず苦笑してしまう
あぁ、コイツはそんなヤツだった
「結論的に言ってしまえば、オレはお前が好きだ。だから苦しみ、もがくお前を見てられないし見殺しにするなどもってのほかだということだ」
『なんでこんな時に……』
「今言ったのは言いたくなったからだ。帰ってしまえば忘れられると思ったこともあったが、どうやら無理らしい。だから後悔だけはしないように今、言ったんだ」
……この野郎
あたしがどれだけ悩んだか知らないくせに
でも好きだ
『返事、してもいい？』
「……あぁ」
大きく息を吸いこむ
『あたしもアンタが好きだよ』
「！！」
『あのさ、少し話を聞いてくれるかな』
「もちろんだ」
『あたしがチンピラに刺されて病院送りにされたことあったじゃん？その時にさ、変な夢を見たんだよね』
「夢？」
『うん』
あたしはあの時の“夢”の全容を話す
あの幸せで禍々しい夢
謎の店員さんの疑問も解けた夢
『でさ、コレが自分の運命なのかなぁって思ったわけよ』
「一緒にいた男はオレで間違いないな」
『素晴らしい自信だね』
「今現在、オレ達は“両想い”という関係にある。それなのにお前が他の男と喋って微笑んでいる、というのはありえない」
『本当にすごい自信だ……』
また苦笑してしまう
「……オレと一緒に来てくれないか」
『へ？』
「自分勝手な発言だということはわかっている。だが、お前と離れたくないんだよ……」
再び力強く抱きしめられた
……あったかい
この温度が、大好きなのだ
『あたしにはこの世界に友達もいるし、“恩師”と呼べる人もいる。そして、幼なじみ兼 親友も』
「……承知している」
『だからさ、考えさせてよ。２日間だけ。待てなかったら帰ってもいいからさ』
「いつまでも待つさ。お前の答えを待つ」
いつもとは違った声音に上を見ようとする
だが、それは阻止された
強い、強い力で抱きしめられる
『ちょ、どうした「見るな」え？』
「オレの顔を見るな、と言っている」
『なんでよ』
「とにかく見るな」
―――男の顔に伝う滴をAは知らない
それでいいのだと、男はわずかに笑った
(情けない)
(オレはこんなに女々しかったか)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イチゴ(プロフ) - 闇人形さん» あけおめです！今年も頑張りますね(#^^#) (2015年1月1日 16時) (
レス) id: 435875bc28 (このIDを非表示/違反報告)
闇人形 - 明けましておめでとうございます！今年の更新頑張ってください！ (2015年1月1日 15時) (レス) id: 7276dbbdcf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 闇人形さん» 良いお年を！ (2014年12月31日 23時) (レス) id: 435875bc28 (このIDを非表示/違反報告)
闇人形 - 分かります！和風で綺麗ですね。来年もよろしくお願いします。良いお年を。 (2014年12月31日 19時) (レス) id: 7276dbbdcf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 闇人形さん» 桃源郷エイリアンもいい曲ですよね！あと、桜音も好きです (2014年12月31日 18時) (レス) id: 435875bc28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
