【wrwrd】ぐう有能【軍パロ】

了解したと手を挙げて。 ページ38

エーミールはあの後、「本でも読んでいて待っていてください」と、グルッペンの元へ行ってしまった。









暇すぎる。







紅茶でも飲もうかと思うがさっき飲んだばかりだから良い。







私はとりあえず近くの目に付いた戦術の本を引っ張り出し、目を通し始めた。









体術や剣術の心得も書いてあるが、どれも正直

言って基礎だらけで退屈の極みだ。









幼少の頃から悪ふざけをどう他人に見つからないようにするか、

他人をどう上手く扱えるかについては人一倍頭を抜いていた。









それもこれも全て貧困街で生き抜く為に身につけた知恵だが、



私のそれを見た人々が影で私を「天魔」と呼び

忌み嫌っていたのを知っている。









これぐらいやらないとあの貧困街ではすぐ死ぬ









弱者から死に至る。









あの街の法則だった。









そんな風に、本を片手に昔の生まれ育った街について思考を巡らせていれば、









図書室の扉が開け放たれた。








「Aさん、」









あの私が書いた本を抱えて息切れするエーミール。








途切れ途切れに声を発した。







「すぐ総統室来てください。

幹部全員収集掛けられて...Aさんも出席する様にと。」









「何や.....あー」









上を向いて、下を向いて、頭をかいて、




首筋をポリポリとかく。









「r国との戦争の会議かな」






「そうです。彼曰く、「今日中に攻め落とす」との事で、すぐに。」









グルッペンがやりそうなことだ。









私は笑って、片手を上げて応えてから


エーミールの後をついていった。

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